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徳島・三好市 二重かずら橋、絶景の紅葉 奥祖谷に潜む平家物語

2012/11/17 日本経済新聞 夕刊

 徳島県三好市の祖谷渓(いやけい)は平家落人伝説で知られる。平清盛のおい、国盛が屋島の合戦に敗れた後、安徳天皇を擁してこの地に逃げ延びたという「もう一つの平家物語」が語り継がれる。好奇心が膨らみ、11月初旬、祖谷渓の最も奥にある錦繍の奥祖谷地方を訪ねた。

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 平家伝説に詳しく、地元でそば打ち体験塾を営む都築麗子さん(67)にガイドを頼み、出発地点のJR大歩危駅から車で約1時間半、奥祖谷の二重かずら橋に向かった。西祖谷のかずら橋は有名で、観光客が年間約30万人訪れるが、奥祖谷の二重かずら橋は祖谷川に沿ったつづら折りの1本車線を長時間走らねばならず、訪問客は少ない。

奥祖谷の二重かずら橋。特に紅葉の季節は眺めがすばらしい

 だが、こちらの方が野趣に富み、男橋(おばし)、女橋(めばし)の2本立てで、別名、夫婦橋。男橋は高さ12メートル、長さ45メートル、幅2メートル。幅約10センチの角材を約30センチ間隔でつなげただけの橋で、隙間から川底が丸見え。ゆらゆらと揺れ、スリル満点だ。

 剣山の山頂近くにある「平家の馬場」と呼ばれる馬場に軍馬の訓練に向かうために架けられたとされ、追っ手が来たときにいつでも切り落とせるよう、かずらを編んだという。「祖谷にはかつて13カ所にかずら橋があった。今は西祖谷と奥祖谷の2カ所に残るだけ」と都築さん。

 紅葉に囲まれた二重かずら橋は絶景。西祖谷に戻る途中で、何やら本物そっくりの農民の姿をした人形があちこちに立っている集落があった。名頃地区の「かかしの里」で、その数約80体。10年前に大阪からUターンした綾野月美さん(63)が、カラス退治にリアルなかかしを並べたところ、観光名所になった。

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