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知らないと恥ずかしい のし袋・水引のマナー むき出しで持参は失礼

2012/11/15 日本経済新聞 プラスワン

 結婚式などの慶事の贈り物に欠かせない「のし袋」「のし紙」。それを結わく「水引」とともに、日本の伝統的な礼儀作法の一つとして、多くの決まりごとがある。知らないと自分が恥をかくだけでなく、何よりも相手に失礼となる。のし袋と水引のマナーで気を付けるべきポイントをまとめた。

 のしとはのし袋やのし紙の右上に付いている、色紙を折ってつくった添え物のこと。「のしあわび」の略で、古来、神事の供え物として新鮮な海産物、中でも貴重なあわびを用いたことに由来する。

 のしあわびは薄くそいだあわびを干して伸ばしたもので、次第にのしあわびを和紙に包んだ形をのしと称して贈答品に添える慣習が定着。「鎌倉時代から室町時代に礼法として定められ、正式なマナーとして引き継がれている」(情報サイトを運営するオールアバウトで冠婚葬祭ガイドを務める中山みゆきさん)

 まず基本中の基本として「のしを付けるのは結婚式などの慶事だけで、葬式などの弔事には付けない」ことをしっかり覚えておこう。あわびに由来するのしは「それ自体が生命の象徴」であり、弔事の際に添えるのは不作法の極み。「のしは病気見舞いや災害見舞いにも付けず、贈答品が鮮魚や精肉などの生ものの場合も、意味が重複してしまうので付けない」(中山さん)

 「結婚式の披露宴で、若い人がのし袋をセロハンの袋から取り出して、受付の人に直接手渡すのを見た時はショックでした」。こう話すのはマナーデザイナーの岩下宣子さん。のし袋などの祝儀袋や弔事の際の不祝儀袋は、ふくさに包んで持参するのが鉄則で、むき出しで持って行くのはマナーに反するからだ。市販ののし袋を使うのは問題ないが、それを包装していたセロハン袋に入れ戻して披露宴に持って行くのは見苦しい。

 ふくさは渡す直前にほどき、ほどいたふくさを台の代わりにしてのし袋をその上に置いて相手に渡す。「手ずから渡すのは失礼に当たる」(岩下さん)。慶事には桃色や赤などの明るい色のふくさを用いるが、紫色は慶事でも弔事でも使えるので便利。細長い財布のような「挟みふくさ」を利用する手もある。

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