くらし&ハウス

暮らしの知恵

焼肉店や寿司店でおひとり様ディナー 気後れした時の苦肉の策

2012/11/16 日本経済新聞 プラスワン

誰も自分のことなんて見ていないのは承知だが、それでも何か恥ずかしい。なぜだろう。日常生活での心の動きに詳しい、同志社女子大学の諸井克英教授(社会心理学)に聞いてみた。

■旅行や出張装うと 周囲への「説明」に

「グループやカップルで楽しむ場所に1人でいると『はぐれ鳥』と見なされることがある」と諸井教授は指摘する。「個人主義が色濃い欧米と比べ、日本では旅行や外食は家族など『群れ』で楽しむものと考えられてきた」。特に焼き肉、鍋などは道具もメニューも1人用になっていないため、1人=寂しい印象にとらえられやすいという。

自分も周囲の人も、気恥ずかしく感じない方法はないものか。諸井教授によると「旅人のふりをする方法は有効」。ひと目で旅先と分かる格好だと「1人でいることの周囲への説明と、自分への言い訳になる」。

確かに出張や旅先だと、知らない店にも入りやすい。そこでキャリーバッグを引きずり、すし店に行ってみた。東京のガイドブックを片手に、カウンターに座る。店主は「旅行ですか?」と、旬のタイやサンマなどを握ってくれた。

そのほか出張風を装い書類を持ってバーへ、食の研究をしているイメージでカメラとメモを持って韓国家庭料理店に出かけた。

1人の理由を作ることでのれんをくぐる動機づけにはなったものの、次第にごまかす自分に疲れてきた。それに旅人のふりをした場合、行きつけにできない。

くらし&ハウス 新着記事

ALL CHANNEL