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焼肉店や寿司店でおひとり様ディナー 気後れした時の苦肉の策

2012/11/16 日本経済新聞 プラスワン

仕事で疲れた晩、料理するのが面倒だったり、ちょっと飲みたくなったりすることがある。友達がいないわけではないが、独身の女性記者は1人で外食する機会も多い。いつも困るのが店選び。“ひとり夕ごはん”したいとき、気後れせずにすむ方法はあるのだろうか。

1人で入りにくい場所を同僚や友人15人に尋ねると、男性は「スイーツ店」「イタリアン・フレンチ」、女性は「牛丼」「焼き肉」「鍋」などが挙がった。

1人ではなぜ気後れするのか、それを克服して楽しく1人ごはんを食べる方法はないか。実地で体験しようと、さまざまな飲食店に入ってみることにした。

■女性1人で焼き肉 隣席の会話に動揺

まずは前から気になっていた通勤途中駅の焼肉店を目指す。いつもタレの少し焦げた香りに誘われていたが、入るのは初めてだ。

金曜日、午後10時。遅い時間帯なので店内がすいていることを期待したが、ほぼ満席。「1人」と告げると、ひげをたくわえた大柄な店主が「ひとり?」と繰り返し、中央4人がけの席に案内された。右隣のテーブルは男性会社員の4人組、左は中年男性と若い女性2人の3人組。何となく、居心地はよくない。

上カルビ(1680円)などを注文。早速、冷たいビールと炭火の七輪が運ばれてきた。気持ちがようやくほぐれ、さあ肉を焼こうとしたその瞬間、隣席から酔った中年男性と女性の会話が聞こえてきた。

男性「いやぁ、たくましいよね、女性1人で焼き肉。すごいね。あっはっは」

女性「きゃー、そんなこと言っちゃ、失礼でしょ」

男性「悪い意味じゃなくて、最近は女性の社会進出が増えて、日本は心強いなぁ。ははは」

聞こえないふりをしたが、いたたまれなさに激しく後悔し、注文を取り消し帰りたくなった。会計は4880円。味の記憶はない。

翌日の晩、牛丼店で親子丼を食べた。券売機で先払いし、すぐに出してくれるのはありがたいが、他の客と対面するコの字形の席が落ち着かない。さらに職場の近くだったので、外から知り合いに見つからないかとそわそわした。

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