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乳幼児、発熱やせき続いたら…RSウイルスかも 重症化の前に受診を

2012/11/10 日本経済新聞 夕刊

乳幼児に多い「RSウイルス感染症」の患者が急激に増え、過去最多になっている。毎年冬に流行がみられるが、今年は夏場から患者数が増え始め、秋に急増した。風邪に似た症状で、多くは軽くすむが、生後6カ月未満の乳児などは重症化しやすく、重い肺炎や気管支炎を起こすこともある。せきが続くなど「子供の様子がいつもと違う」と思ったら早めに医療機関を受診してほしい。

国立感染症研究所は全国約3000の小児科からのRSウイルス感染症の患者数を集計している。10月1~7日の1週間に報告された患者は5007人に上った。この数字は2003年の調査開始以来で最多となった。

夏から増加中

今年は8月から患者数が急増し、9月は昨冬のピークを上回った。10月中旬以降、報告数はやや減ったが依然として高い水準だ。感染研の安井良則主任研究官は「これまでは大都市が多かったが、地方に流行が拡大している可能性もある。冬に向かってさらに増える恐れもあるので注意してほしい」と呼びかけている。

原因となるRSウイルスはとても感染力が強く、2歳までにほぼすべての子供がRSウイルス感染症にかかる。発熱やのどのいたみ、せき、鼻水など、風邪とよく似た症状が出る。特別な治療法はなく、予防用のワクチンも今のところない。

大人を含めて誰もが何度もかかるありふれた病気で、小学生以上の場合は軽い症状で1週間ほどで回復することが多い。慌てずにかかりつけ医に相談することが大切だ。

ただ、乳幼児では重症化することもある。「特に6カ月未満で感染したら注意が必要だ」と安井主任研究官は訴える。肺の機能が十分発達しておらず、抵抗力も弱いためだ。肺の奥の細い気管が炎症を起こす細気管支炎や肺炎に至るという。

乳幼児の肺炎の約半数、気管支炎の5~9割はRSウイルスが原因だとみられている。感染者の1~2%にあたる2万人程度が毎年入院すると考えられており、子供の感染症の中ではロタウイルスと並んで入院患者が多い。

「今年も夏からRSウイルス感染症による入院患者が増えた」。こう話すのは昭和大学病院小児科の水野克己准教授だ。

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