2012/11/7

イチからわかる

からすけ どうやって予知するのかな。

イチ子 地震の予知には、前触れとなる地下の動きをとらえることが大切よ。東海地震は観測する体制(たいせい)の整備に力を入れてるの。小さなゆれも見逃(みのが)さない高感度(こうかんど)地震計や人工衛星(えいせい)からの電波を使って地下深くの動きをとらえる全地球測位(そくい)システム(GPS)があるわ。地下の岩石のゆがみを測(はか)る「ひずみ計」も配置(はいち)されているのよ。

からすけ 期待できるね。

イチ子 ただ、残念(ざんねん)ながら、必ず予知できるとはいえないの。前触れとなる動きをとらえられなかったり、とらえても、動きが急で間に合わなかったりする場合も考えられるわ。そもそも前触れが必ず起こるかどうかを疑(うたが)う声もあるのよ。

からすけ えーっ。それじゃ頼(たよ)りにならないよ。

イチ子 それだけ予知は難しいのよ。予知には前触れなどを記録(きろく)した過去(かこ)のデータが大切だけど、約100年前の分までしかないの。だから、1000年以上前の古文書(こもんじょ)を読んだり、沿岸の地層に残(のこ)されている津波(つなみ)の跡(あと)からどんな地震があったか調べたりしているけど、十分なデータがあるとはいえないのよ。

日ごろの「減災」が大切

からすけ 少し心配になってきたな。

イチ子 でも、予知への期待が大きすぎて、こんなことも起きたの。イタリアでは先月、09年に300人以上の死者を出した地震の予知に失敗(しっぱい)したとして、研究者を罰(ばっ)するという判決(はんけつ)が出たわ。大地震の数カ月前から小さな地震が起きていたけど、それが大地震にはつながらないと報告(ほうこく)していたことが理由みたいね。

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地震学の誕生は19世紀