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福島・岳温泉 安達太良カレー 山の恵み、酸性の湯

2012/11/6 日本経済新聞 プラスワン

東京から東北新幹線と東北本線を乗り継ぎ、安達太良山麓にある岳(だけ)温泉(二本松市)を目指した。

成駒のカツカレー

まずはここ数年とりくんでいる地元の食材を使ったB級グルメ、「安達太良カレー」を頂くことに。観光案内所(岳温泉観光協会)の目の前にある成駒を訪ねる。1948年(昭和23年)から地元の方や観光客に愛されてきた店だ。名物は安達太良カツカレー。注文すると、ものすごいボリューム。スキー場近くにあった分店(今はない)に馬ソリで名物のカレーを運んでいた時期もあるという。

その味はとても優しく、どこか昭和の匂いがする。具はシメジ。ごろりとした豚肉とカツが堂々たる姿でのっている。パイナップルがスパイスに。「ターメリックをたくさん入れていますので、常連さんは前日に飲み過ぎた、と言って食べにいらっしゃいますよ」。成駒の佐藤朋圭さんはにこにこ顔で話す。

岳温泉は温泉街の真ん中をヒマラヤ大通りが走り、両脇に宿やお土産物屋さんが並ぶ。風格ある岳温泉神社に参拝してから、お宿花かんざしへ。8室の小さな宿ながら大正ロマンが薫ると人気だ。

湯の花が舞う酸性の湯が楽しめる(花かんざし)

早速お風呂へ。岳温泉は、天然に湧き出ている安達太良連峰鉄山にあるくろがね小屋付近から、約8キロほど湯を引いている。源泉から温泉街までは約40分ほどかかる。この間「湯もみされるので、温泉が柔らかくなるんです」(花かんざし女将の二瓶明子さん)。

pH(水素イオン濃度)が約2.5という酸性の湯。酸性特有のぴりっとした刺激や、湯を手でこすると軋(きし)む感じがなく、むしろぬるっとするほど。両手で湯をすくいあげると、手の中で、小さく白く、かれんな湯の花が舞っていた。

食事が自慢の花かんざし。肉や根菜を細かくした二本松名物、ざくざく汁などを頂いた。夕食後と休む前にも、風呂を楽しむ。湯の力でとても温まったので、この晩、熟睡できた。

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