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ママチャリで坂道スイスイ上るには? サドルの高さに秘訣

2012/10/19 日本経済新聞 プラスワン

 自転車に乗っていて、困るのは上りの坂道だ。近くのスーパーや駅までちょっと出かけようと思っても、坂道があると気が重い。記者(34)が愛用する手軽なシティ車、いわゆる「ママチャリ」でも、楽に坂道を上る秘訣はないか。サドルの位置や足の置き方、姿勢など、実際に試しながら探ってみた。

■同じコース、フォームを変えながら実験

 自転車で行き交う人たちを改めて観察してみると、乗り方は千差万別だ。特に上体の姿勢や足の動きに特徴が出る。大きな力が必要な上り坂の場合、乗り方の違いは平地よりも顕著に、負担の大小につながるのではないか。

ママチャリで坂道を楽に上るコツを探った

 早速、フォームを変えながら同じコースを繰り返し走ってみる。実験コースは自宅に近い公園脇の坂に決めた。傾斜は4度前後と比較的緩やかで、距離は約170メートル。人通りも少ない。

 実験は記者の体感で楽か苦しいかを評価する。普通にこいで坂を上るのにかかった時間や直後の心拍数も計測し、平均値を比べた。自転車事故は多い。交通ルールは最優先だ。車道の左側を走り歩行者優先。車にも十分注意する。

 試しにいつも通りのフォームで走ると、タイムは1分20秒。心拍数は普段が毎分70回前後だが、坂を上った直後は100近くに上昇した。乗り方は足の土踏まず付近をペダルに置き、足の回転が頂点からやや前に来たのに合わせて踏み込んでいる。上体はやや猫背気味。ハンドルを握る手や肩には知らず知らずのうちに力が入っている。

■足指の付け根でペダルを踏む

 自転車の乗り方は(1)ペダルに置く足の位置(2)踏み込み方(3)上体の傾き――の違いが大きいようだ。

 そこでまず、ペダルを踏む位置を変えてみた。かかと近く、土踏まず周辺、足指の付け根と3パターンで実験。5回ずつ走ってタイムや心拍数の平均を出す。記者自身の疲れや向かい風の強さなども影響しそうなので、複数の日に、走る順番も変えながら計測した。

 結果は一目瞭然。足指の付け根でペダルを踏むのが最も力が入りやすい。今後の実験は足指の付け根で踏んで進めると決めた。

 何回も坂を上り下りすると、上った先の工事現場で作業中の皆さんにけげんそうな顔で見られた。いたたまれなくなって休憩中に声を掛け、雑談した。

■低すぎるサドルに注意

 すると自転車好きという一人がペダルの踏み方を教えてくれた。今までは回転が上に来たところで踏み込み、下に来ると自然に任せていた。助言によると、ペダルが下に来たときに足指を使って引き上げる感覚で回すとよいのだという。

 試行錯誤するなか、地方支局勤務時に取材したプロロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」主将の広瀬佳正選手を訪ね、実験中の記者の写真を見てもらった。「これだと大変でしょう。身長からみると、サドルが低すぎますよ」

 記者は身長178センチほど。自転車は27型だが、サドルに座ると、膝がやや曲がった形で足の裏が完全に地面につく。効率よくペダルに力を伝えるには、サドルをまたいで足指の付け根あたりが地面に着くくらいがちょうどいいという。ペダルは踏む力が一定になるのが理想だ。

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