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家庭でも簡単、プロの味 「極上のすし」の握り方

2012/10/12 日本経済新聞 プラスワン

店頭に並んだ脂ののった魚を目にすれば、刺し身だけではなく、すしを握って家族や友人に振る舞ってみたい、と思う。それなりに握れそうだが、目標は口の中でほろりと崩れるシャリ。パーティーシーズン到来を前に、見た目も美しい、盛りつけの小わざも学んだ。

Q.シャリをほろりと軟らかく仕上げるには

A.右手は2本指で、程よい力を加える

すしの握り方を習う人たち(東京都新宿区の東京すしアカデミー)

「手が温かい女性はすしを握るのに不向き、というのは迷信。コツをつかんで手早く握れば、誰でもきれいに仕上がりますよ」。すし職人を養成する、東京すしアカデミー(東京都新宿区)の栗本一世さんはきっぱりと言う。

この日初心者向けの握りずし講座が開かれた。会社員の小川生さん(35)は外国人の友人に「日本人なら当然、すしを握れるんでしょ」と言われ、はっとしたという。「すしは職人が握るものと決め付けていましたが、自分で握れたら楽しいだろうと思いました」と参加の理由を語る。

硬めに炊き、合わせ酢を打って人肌に冷ましたシャリを、すし桶(おけ)に入れて右側に置く。左には赤身、アジ、エビなど好みのネタを並べて準備完了だ。

米粒が手につかないよう酢水で手を湿らせ、右手でシャリを取って、軽く丸める。1個の分量は「持ち帰り店は25グラム、高級店は13グラム程度ですが、18グラムほどが一般的。ゆで卵の黄身の大きさが目安」と栗本さん。

ネタを左手の指の付け根に置き、右手の人さし指でワサビを塗る。イカなどあっさりしたネタはワサビが効きやすいため、控えめに。脂がのったトロなどはやや多めにする。

握りの手順は(1)丸めたシャリをネタにのせて軽く握る(2)左手を開き、指先側に転がして、ネタが上を向いた状態で握る(3)すしの上下の向きを変えてさらに握る――の3ステップだ。

シャリがおにぎりのように丸くなってしまったら「右手の中指と親指でシャリの両脇を押さえて」とアドバイス。一瞬でスマートな形に変化し、参加者から「おお」と声が上がった。

完成後一同で試食。「大きさがばらばら」との声も聞かれたが、「予想以上にきれい」と満足する人が大半。自営業の入江素代さん(55)は「練習を積んで友人にごちそうしたい」と意気込んだ。

一般的には「すらりと細長い四角形」「手に持ったときは崩れず、口に入れたときにほろりとほどける軟らかさ」の2条件を備えたシャリが理想とされる。その境地に近づくには「左手の指先を内側に曲げ、親指を添えて枠を作る。握る右手は2本にする」(栗本さん)。2本指で握ると必要以上に力が加わらず、芯が軟らかく仕上がるという。

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