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痔、痛み軽い注射療法が普及 社会復帰も早く 再発率はやや高め

2012/10/5 日本経済新聞 夕刊

生活習慣の乱れなどが原因で起きるお尻の病気。「患部を見られるのが恥ずかしい」という理由で受診をためらう人が多いが、放置すると症状が悪化することもある。痛みや出血にはがんなどのリスクも潜んでいる。患部を切らずに薬剤を注射するなど、治療の選択肢が広がっており、専門家は早めに受診するよう呼びかけている。

東京都内の会社員の男性(37)は5月上旬、お尻にかゆみを覚えた。薬局に行ったものの、何を買えばよいのか分からない。大型連休明けに職場近くの病院を受診したところ、痔核(じかく)と診断された。いわゆる「いぼ痔」だ。

「いぼ痔」が最多

同月末に切除手術を受けて1週間ほど入院。「ずっと抱えていた違和感が消え、すっかり楽になった」と喜ぶ。当初は病名にショックを受けて落ち込んだが、同年代の患者が多いことを入院中に知り「自分だけではない」と安心できた。今では「もっと早く気づいていればよかった」と明るく話す。

痔は大きく3種類に分かれる。痔核のほかに、肛門の出口付近が切れて起きる裂肛(切れ痔)と、お尻に穴があいてうみが出る痔ろうがある。

このうち患者が最も多いのが痔核。肛門を閉じる働きをする柔らかなクッション部分が大きくなり、こすれて出血したり、肛門の外に脱出するようになったりする。クッション部分は血管が網の目のように集まっており、排便時のいきみなどで繰り返し負担がかかることにより、周囲の支持組織が弱って緩むことが原因と考えられている。

社会保険中央総合病院(東京・新宿)の大腸肛門病センター長などを経て中央区で診療所を開設した岩垂純一医師は「クッションは肛門を閉じるのに役立つ大切な部分。必要以上に傷つける治療はしない傾向が強まっている」と話す。

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