「ラジオ体操」に脚光 早歩きよりダイエット効果も

「新しい朝が来た」のフレーズでおなじみのラジオ体操が最近、見直されている。手軽な運動として高齢者を中心に半世紀以上も親しまれてきたが、ダイエットや肩こり解消などの目的で始める若い人も増えてきた。専門家が薦めるよさとは何か。その効能と実践のポイントを聞いた。

若い女性が受講

都内のある会社でラジオ体操の講習会が開かれた。50人の受講者は若い女性ばかり。「反りすぎず、前かがみにならず、床に重心をのせて」。国立スポーツ科学センター・スポーツ医学研究部の中村格子医師が壇上から模範演技を見せると、熱心に体を動かした。

「歴史は古いが、よく考えられた科学的な運動」と中村医師は評する。ラジオ体操が始まったのは1928年。当時の逓信省が「国民保健体操」として制定、戦後の52年に今の構成になった。筋肉トレーニングやストレッチの効果がある動きがバランスよく盛り込まれており、背筋や腹筋、手足の筋肉など、400を超える全身の筋肉をくまなく動かす。

ラジオ体操には第1と第2があり、約3分間に13種類ずつの運動をする。例えば、第1の最初にくる「背伸び」の運動。大きく息を吸って腕を振り上げ、息を吐きながら腕を下ろす動作によって、背骨の両側や脇腹の筋肉が鍛えられる。「猫背を直したり腹をへこましたりする効果が期待できる」と中村医師はいう。

意外にダイエット効果が大きい。同じ時間なら消費するカロリーはハイキングや早歩きよりも高い。美容効果などをうたった中村医師の著書は若い女性に支持され、50万部を超すベストセラーになった。

手軽にできる運動だが、スポーツの愛好家にも効果がある。新体操元五輪代表の秋山エリカ・東京女子体育大学教授は「一つのスポーツをやっていると、特定の部位の筋肉だけが鍛えられがち」と指摘する。

例えば、野球は肩の周辺や腕、脚、サッカーは脚の筋肉をよく使う。全身の筋肉を動かすラジオ体操を取り入れると、普段使わない筋肉もほぐれる。秋山教授は自身が指導する新体操チームの練習にラジオ体操を取り入れた。

ラジオ体操第2は第1よりも運動量を増やし、筋力の強化を重視している。スポーツが趣味の人は第2を中心にやるのもよい。

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