ライフコラム

エコノ探偵団

語学教室が活況 誰が通っているの?

2012/9/11 日本経済新聞 プラスワン

「語学教室に通い始めたんだけど、受講生が増えているらしいわ。なぜかしら」。事務所を訪れた主婦の質問に探偵、深津明日香が身を乗り出した。「私も通いたいと思っていたんです」。メモ帳を手に事務所を飛び出した。

■シニア、定年後も国際派

「昨年後半から受講生が増えてきました」。語学教室のベルリッツ・ジャパン本社(東京都港区)を訪ねると、新宿ユニット・マネージャーの吉原身起也さん(55)が説明した。売り上げの約4割は法人契約で、20~30歳代の受講者が多い。2008年のリーマン・ショックで法人需要は落ち込んだが、10年後半に復調。東日本大震災直後は再び低迷したが立ち直りは早かった。「製造業、小売り・サービス業など幅広い業種で海外事業を拡大する企業が増え、社員の語学力を高めようとしています。中堅・中小企業も熱心です」

ECC外語学院を運営するECCの法人渉外部門マネジャーの門勝視さん(40)は「英語能力テスト『TOEIC』の点数を何とかあげたい受講者が増えていますが、高得点だけでは不十分。企業は海外で営業やプレゼンテーションができる能力を求めています」と熱気を感じ取っている。

語学ビジネスの市場調査を実施している矢野経済研究所(東京都中野区)に問い合わせると、研究員の福岡美佳さん(35)も「ビジネス目的の利用が拡大しています」とほぼ同じ見方をする。語学ビジネスの市場規模は留学あっせんなど周辺事業も含め12年度は前年度比2.7%増の7897億円を見込む。3年連続で拡大する見通し。「英語や中国語などを使って働く人はさらに増えるでしょう」

語学教室が活気づいてきたもう一つの理由は小・中・高校生や幼児などが利用しているため。同研究所によると11年度の中学生以下の語学教室の市場規模は1200億円を上回った。

学習指導要領の改訂で授業の水準が上がったのに刺激され、世界で通用する語学力を身につけようという子どもたちが増えている。

「企業の若手社員や、将来、海外で活躍したい子どもたちが外国語を勉強しているようです」と報告すると「自分の目で確かめてきなさい」と所長。明日香は、日中に開講している語学教室のレッスンに体験入学をさせてもらった。

明日香は驚いた。生徒は60歳以上に見える人たち。英語教師の話に熱心に耳を傾け、ときに鋭い質問を投げかけている。授業後、1人に声をかけてみた。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL