旅行・レジャー

温泉食紀行

秋田・湯沢 稲庭うどん 美しいつや、つるりと 多彩な温泉、蒸気の迫力

2012/9/4 日本経済新聞 プラスワン

田園が目にまぶしく、農道を歩くと鼻がむずむずしてくるような緑の匂いがした。

あきたこまちの稲穂が頭をたれようとしている夏の終わりに、秋田県湯沢市を訪ねた。湯沢市は秋田県南部の市。市内の稲庭町の名産である稲庭うどんは、全国的に知名度が高い。このエリアでは古くから小麦が作られ、うどんが誕生した。そんなうどんの産地で、こんなにも美しい田園風景に出合えるとは思わなかった。

田んぼの一角にうどん店が並ぶ。江戸時代よりうどんを作りはじめた老舗の佐藤養助総本店には、食事どころや売店のほか、うどんの製造工程見学コーナーもあり、製造の体験コース(要予約)もある。

のど越しのよいうどん(佐藤養助湯沢店)

二味せいろを注文すると、ゴマだれとしょうゆだれの2種類にうどんが出てきた。麺がつやつやと光っている。空腹もあって、つい、箸で大量につかもうとしたが、麺がすべって箸でつかめない。うどん10本ほどの細い束にして、しょうゆだれに入れて一口。つるつると口に入り、かみしめるとしっかりとしたこしがある。のど越しも抜群にいい。

湯沢市には、多くの温泉が湧いている。酸性の強い湯が滝となっているのは、川原毛大湯滝。硫黄の香り漂う素朴な秘湯の宿が並ぶ泥湯温泉、秋田県内で最古の湯という秋の宮温泉郷など、個性的な温泉がある。

この日は、やさしい湯が沸く小安(おやす)峡温泉の多郎兵衛旅館に宿をとった。小安峡温泉は、渓谷沿いに宿が点在している。

多郎兵衛旅館の雰囲気ある温泉

露天風呂、薬師の湯、陶喜の湯、三宝の湯、子宝の湯と、宿にはいくつもの湯船がある。単純温泉が湧くここは、のんびりと入浴していると細胞が活性化されるといわれる。窓越しに見える緑を眺め、長く湯につかると、体がとけてしまいそうになる。湯疲れしにくいため、この日、6回も入ってしまった。

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