2012/9/6

安心・安全

災害後、ライフラインの復旧が長引くことを想定し、自宅には最低3日分の食料を備蓄し、調理用にカセットコンロやボンベも用意したい。仮に電気などが早めに復旧しても、新鮮な食材が手に入る生活にはなかなか戻れない。

被災経験のある料理研究家の坂本廣子さんは「自宅で被災生活を送ることを想定し、普段食べているものを切らさず、買い置きする習慣を身につけよう」と助言する。

スーパーの商品配列参考に

電気が止まった時、冷蔵庫や冷凍庫に入った食材はどうすれば良いか。まずは扉を開けないようにする。長期化しそうなら、冷凍庫のものを冷蔵庫に移す。冷凍庫内の凍った食材が保冷剤のような役割になる。「真冬で扉を閉じたままなら、庫内の食材は2日間は持つ」と坂本さんは話す。食材によっては日持ちがしないので「少しでも心配なら迷わず捨てる」。

普段から冷蔵庫や冷凍庫には最低限の食材を入れる生活を実践したい。ヒントになるのはスーパーでの商品配列。ジャガイモ、カボチャ、ニンジンなどは冷蔵せず、常温で置ける。「ナスやトマト、キュウリも冷蔵する必要はない」と坂本さん。調味料類も冷蔵庫に必要ないものを入れていないかチェックしよう。

切り干し大根、ひじき、わかめなどの乾物はミネラル分も多く、大きな役割を担う。ただ日常的に食べて慣れ親しんでいないと、緊急時はなかなか体が受け付けない。

「被災生活は大きなストレス。食事はできるだけ日常に近いものを食べることが乗り切る力になる」と、兵庫県立がんセンターの管理栄養士で災害時の栄養指導に詳しい下浦佳之さんは指摘する。

東日本大震災では長引く被災生活で、被災者は野菜から得られるビタミン類やミネラルの不足が深刻だった。フリーズドライ化した野菜類や野菜スープ粉末、缶詰を備えつつ、食べ慣れておきたい。

食料以外では台所に余分にラップやアルミホイル、ビニール袋(大小)を用意しておく。料理用はさみやピーラーも欠かせない。「被災生活では水が少ないので、毎回洗う必要のあるまな板は使えない。食中毒を防ぐには、ラップなどが食料と同じくらい大切」と坂本さんは言う。

備えあれば憂いなし。災害時に対応できる状況にしておきたい。

(坂下曜子)

[日経プラスワン2012年9月1日付]

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