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そのせき、のどの違和感… 胃食道逆流症の可能性も

2012/8/25 日本経済新聞 夕刊

のどがいがらっぽく、しつこいせきが出る。夏風邪か、ちょっと疲れが出た程度だろうとたかをくくってはいけない。胃酸や食べた物が逆流する胃食道逆流症かもしれないからだ。ぐっすり眠れない、虫歯になりやすいなど、無関係にみえる症状が実は病気の進行を示している場合もある。薬で治せるので自分で大丈夫だと決めつけず、早めに受診したい。

「コンコンと乾いたせきが続く」「のどに桃や梅干しの種がつかえた感じがする」。国際医療福祉大学東京ボイスセンターの渡邊雄介センター長はこうした症状を胸やけに対して「のどやけ」と呼び、胃食道逆流症を疑う。原因不明のせきが続く患者の約2割はこの病気という。

食事の欧米化背景

胃食道逆流症の典型的な症状は胸やけやげっぷだ。消化器内科が専門の慶応義塾大学の鈴木秀和准教授は、「みぞおち付近から熱さが上昇してきたり、胸骨の下を熱いものが動いたりする感じ」と説明する。国際医療福祉大の渡邊センター長は、のどの不調でやってきた患者の多くに「胸やけはないですか」「げっぷが増えていませんか」などと聞く。すると「そういえば」と初めて気付く人がかなりいるという。

胃酸が上がってくる原因はいくつかある。一つは胃酸の分泌を促す脂肪分や糖分、たんぱく質などのとり過ぎだ。胃食道逆流症は食事の欧米化とともに増えたといわれる。1970年代には日本にほどんど患者はおらず米国や英国に多い病気と考えられていたが、いまでは「日本と米欧で差がなくなった」(慶大の鈴木准教授)。調査人数に対する患者の比率(有病率)は20%近いとの報告もある。

もう一つは肥満、高齢者に多い猫背などによる腹部の圧迫や、胃袋が横隔膜の上まで上がって開いた状態になる「食道裂孔ヘルニア」によって引き起こされるケースだ。さらに、実際に逆流は起きていないのに食道の近くが過敏になり症状を感じる「機能性疾患」の場合もある。メタボリック(内臓脂肪)症候群や心の病の増加、高齢化の進展などと胃食道逆流症の増加は連動しているという。

胃酸がのどまで逆流してくると、せきや声がれが起きる。気道に入ればぜんそくのような症状が出る。寝ている時などに口まで上がると酸っぱさや苦みを感じる呑酸(どんさん)の症状が出る場合が多く、息も臭くなる。眠りが妨げられることも多い。歯が酸にさらされる結果、虫歯が悪化しやすくなることもある。水を飲んだりうがいをしたりすれば酸が流れるので、すっきりしたように感じる。

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