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不快感なくても危険な場合も 熱中症予防の注意点 体感温度に個人差、実際とズレ

2012/8/14 日本経済新聞 朝刊

暑さがまだ続きそうなこの季節。熱中症予防のため、こまめな水分補給やエアコンの利用などが必要だ。ただ、人が肌で感じる体感温度や快適だと思う温度は、条件によって異なり個人差もある。中には涼しいと感じたり、不快を感じなかったりしても、実際とは感覚がずれていて注意が必要なケースもある。温度の感じ方について探ってみた。

体感温度は気温のほか、湿度や風速など多くの要因で決まる。風速が毎秒1メートル増えるごとに約1度ずつ下がるともいわれる。ただ、特に統一された計算式はなく、用途などでいろいろな方法があるようだ。

■打ち水、逆効果も

産業技術総合研究所が猛暑日の東京をモデルにシミュレーションした研究では、午前10時や午後1時に大量の打ち水をすると、体感温度はいったん下がった後に急上昇し、一時的に高くなった。水の蒸発による湿度上昇の影響が大きいためだ。

午後5時に打ち水をした場合は継続的に下がった。暑さを和らげるための打ち水は夕方がよさそうだ。この研究では体感温度を気温、湿度、風(気流)、周囲から伝わる熱、服装などから計算している。

最近は体感温度に合わせて制御するエアコンも登場している。例えば、三菱電機の「霧ケ峰ムーブアイ」は人の位置や床の温度などを検知し、冷やしすぎを抑制するという。体感温度は室温や風、伝わる熱の量、人の活動量などで独自に判断する。強い日差しが入って床が熱いと、その近くは受ける熱も多く暑く感じる。体を動かしているかという活動量でも違ってくる。

また体感温度は一般に女性より男性の方が高いといわれる。人が快適と感じる環境の温度も性別、生活習慣、出身地域、個人などによって違い、季節による変動もある。

横浜国立大学の田中英登教授が20歳前後の男子大学生を対象に調べたところ、快適環境温度は春から夏に向けて上昇する傾向があった。体が暑さにだんだん慣れていくため。ただ、運動の習慣がある人の場合で、習慣がない人では上昇しなかった。

年齢では「高齢者は感覚が鈍くなっているので、不快感が自分で分からない人もいる」と田中教授は指摘する。高い体温は熱中症の原因の1つで、夏に屋外で運動などをすると簡単に上がる。不快感がなくても体温を下げる必要がある。高齢者は発汗機能が落ちて体温が下がりにくいので、屋外から帰ってきたときはエアコンをいったん低めに設定する方法もあるという。

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