モノは置かずに「空中」で処理
モノが散らかっていると、掃除がしにくい。片付け専門のコンサルティングを手がけるスッキリ・ラボ(東京都品川区)代表の小松易さんは「モノをとりあえずテーブルなどに置いて、後で片付けようなどと思ったら最後、ズルズル散らかっていく。いったん置かずに『空中戦』で勝負しよう」とアドバイスする。
たとえば郵便物。「片付けが苦手な人は封すら開けずに机の上などに置いてため込む傾向がある」と指摘。そうして納付書や請求書など重要な郵便物を見落としてしまう。
ではどうやって処理するか。まず毎日、郵便ポストから郵便物を取り出したら、部屋まで歩きながら封を開け、中身をチェックして、いるものといらないものに分ける。部屋についたら、いらないものはすぐ捨てて、いるものは所定の場所にすぐ保管する。「机の上に着地させることなく、空中で処理を終えるのです」。片付けは「地上戦」に入ると苦戦するという。
同様に、本を読み終えたら机に置く前にすぐ本棚に戻す。服を脱いだらソファに置く前に洗濯機やクローゼットに入れる。食事を終えたら食器をテーブルに放置せず、すぐキッチンのシンクに持っていき、少なくとも30分以内に洗って食器棚へ――。
このような改善を一気にしようとしても、片付けが苦手な人にとっては苦痛だろう。小松さんは「いっぺんにやろうとせずに、1つのテーマを決めて、それを3週間続けてみよう」と勧める。3週間継続すると、その行動が習慣になるという。習慣になれば無理なくできるようになる。そうしたらまた新しいテーマに1つ取り組むのだ。
毎日、自然に実践できるようになれば、週末に時間をかけて掃除や片付けをする必要がなくなる。いつもきれいな部屋でくつろげるようになるはずだ。
(ライター 上田 真緒)
[日経プラスワン2012年7月28日付]