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広島・竹原 魚飯 風情ある町、もてなしの味

2012/7/17 日本経済新聞 プラスワン

町家の続く古い町並みが魅力の竹原(竹原市)と、瀬戸内海に浮かぶ同じ市内の大久野島を訪れた。

散策が楽しい竹原の町並み

竹原は、平安時代、京都下鴨神社の荘園として開けた。江戸時代は製塩業が盛んだった港町といわれ、町筋は本川沿いに展開する上市、下市に分かれている。

石畳と白壁の家並みが路地の奥まで残っていて、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。小笹屋酒の資料館、松阪邸、吉井邸などを眺めながら歩いて行くと、白壁の間に寺院の塔が頭をのぞかせる。緋(ひ)毛せんをかけた小さな縁台が置かれていたり、意匠を凝らした竹原格子には季節の生花が飾られてあったりするのが、目を引く。

洋館造り風の竹原市歴史民俗資料館には、竹原を栄えさせた製塩業をはじめ歴史、民俗、文化資料などが展示されている。

頼惟清旧宅は、頼山陽らを生み出した頼一門の発祥地で、江戸時代中期の遺構がよく残されている。北側裏手の石段を上がると照蓮寺。一本裏道へ入ると藤井酒造酒蔵交流館があって、地酒の試飲ができる。光本邸、大瀬邸、亀田邸などの古い屋敷を彩る白壁造りや格子の連なりにすっかり圧倒された。

たくさんの具材を味わう

昼食には「たけはら魚飯(ぎょはん)」をいただく。地域おこしをかねて、古い文献をもとに、地元の若手が集まって研究、復元された料理だ。かつて大商家が客のもてなしに供した料理と伝えられている。季節の白身の魚と野菜をたっぷり使う。店によって材料と工夫を凝らしているそうだ。

訪れた「味いろいろますや」ではドーマル(トラハゼ)が売りである。竹の器にきれいに盛られた具は、アナゴ、エビ、ドーマルのソボロ、そして小さく刻んだシイタケ、タケノコ、ゴーヤ、インゲン、ダイコン、ニンジンなどの野菜がたっぷり添えられている。

器の端にそっと載せてあったドーマルの骨。空揚げがパリパリした歯ざわりでこたえられない。

具をご飯の上に自分好みに載せ、昆布、いりこ、カツオをベースにした熱々の汁を掛ける。具の香りと、汁のなんともいえない淡泊な味がまじり合って、おかわりをするほどだった。

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