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牛スジ、短時間で軟らかく煮込むには

2012/7/13 日本経済新聞 プラスワン

ゆっくり煮込むと、とろりと軟らかくなる牛スジ肉。夏のカレーや酒のつまみにも合う。ただ難点は、何時間も煮込まないと硬くて食べられないこと。短時間でプルプルに軟らかくして、おいしく食べる方法はないか、試してみることにした。

牛スジは焼き肉やステーキとは違う食感だ。どの部位のことを「スジ肉」というのだろう。

和牛の牛スジ専門店、マルニチフード(北九州市)の加藤圭一店長に尋ねると、特定の部位を指すのでなく「硬く筋張った肉の総称」だという。スネやネック、アキレスけんなどから主に取れる。運動する際によく使う部位で「肉は硬いが、その分うま味が凝縮している」そうだ。

アクが大量発生、完成まで2時間

栄養素も他の部位とは違う。女子栄養大学の小西史子教授に話を聞くと、牛スジは無色透明の部分と、周りに付着した赤い肉の部分から成る。無色透明の部分は煮込むとゼリーのようにプルルンとした特有の食感になり「天然のコラーゲンがたっぷり」(小西さん)。じっくり煮込むと、煮汁にもコラーゲンとうま味が溶け出すという。

実験への意欲が高まり早速、自宅で煮込んでみた。鋳物ホーロー鍋に湯を沸かし、牛スジ約300グラムを入れてまずは普通に煮込む。

コトコト煮込むこと1時間。普通の肉ならすっかり軟らかくなってもいい頃合いだ。だが、竹ぐしをさしてもまだ硬い。コトコトコトコト……。2時間煮込んでやっと軟らかくなった。

梅雨時、2時間煮込み続けたキッチンは、窓が曇るほど蒸し暑い。長時間煮込めば軟らかくなることはわかったが、夏場はつらい。

アクと脂が次々に浮いてくることにも苦労した。普段の料理では見ないほどのアクの量。お玉ですくいきれないため湯を流し、再度沸騰させて肉を煮て、と3回繰り返し、やっと湯が濁らなくなった。

「もっと上手に、時間を短縮できないでしょうか」。料理研究家の町田えり子さんに相談してみた。

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