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カツオのたたき・蒸し鶏…食事で夏バテに勝つ

2012/7/3 日本経済新聞 朝刊

2日から節電期間。今年の夏は厳しい暑さが予想され、例年以上に疲れがたまりやすくなる。そんな中、関西の産学官が疲労回復に効果があるという「抗疲労食」を開発した。疲労を感じる原因になる活性酸素を抑える効果があるカツオや鶏肉などの食材を使っている。そのメニューから、節電の夏を乗り切る食生活を探った。

■「抗疲労食」が人気

兵庫県のゴルフコースで出されている抗疲労食メニュー

「サケと鶏肉、キノコ、パプリカ、トマトの陶板焼き」「蒸し鶏のごまあえとホウレンソウ添え」「山かけマグロ」「カツオのたたき」――。大阪市都市型産業振興センターと大阪市立大学、阪急阪神ホテルズなどが共同で開発した「抗疲労食」メニューの例だ。ゴルフ場や大学病院内のレストランなどで提供されており、人気が高いという。

一見ごく普通のメニューだが、なぜ疲れに効くのか。使われている食材は抗酸化物質を多く含んでいるからだ。運動したり脳を使ったりすると、呼吸で取り入れた酸素の一部が変化し、活性酸素ができる。「活性酸素が筋肉や神経細胞を傷つけ、疲労を感じるようになる」と東京海洋大学の矢沢一良特任教授は説明する。

■疲労の原因は「活性酸素」

以前は疲労の原因は乳酸だと考えられていたが、「活性酸素の方が影響は大きい」と矢沢特任教授はいう。やっかいなことに、活性酸素はストレスによっても発生する。精神的な負荷がかかると、目や脳、筋肉に血液が偏り、酸素をたくさん取り入れる。生命活動で処理しきれなかった酸素は活性酸素になり、疲労感を増す要因となる。

冷房のきいた部屋と外との温度差が大きい場所を行き来することもストレスになる。活性酸素を増やす要因はそこらじゅうにある。こうした悪影響を効果的に阻止してくれるのが抗酸化物質だ。

大阪市立大や東京海洋大などの研究で、サケの肉を赤く染めるアスタキサンチン、鶏の胸肉やカツオに多く含まれるイミダゾールジペプチドなどは特に効果が高いとわかってきた。「アスタキサンチンは活性酸素を消し去り、イミダゾールジペプチドは傷ついた細胞の修復に役立つ」と海洋大の矢沢特任教授は説明する。

カツオに含まれるL―カルニチン、トマトやジャガイモのα―リポ酸、ホウレンソウやイワシのコエンザイムQ10なども、活性酸素の働きを抑える効果が高いという。

疲労を軽減させる効果は他の食品成分にもある。矢沢特任教授が注目するのは、青魚に多いドコサヘキサエン酸(DHA)、キノコや乳酸菌など菌類がもつβグルカン、ビールの苦み成分のホップなどだ。「病原菌から守る免疫の働きを高める」「体内の隅々に酸素を運ぶ赤血球の機能を高める」「新陳代謝を促す」の3つの効果が高いという。

例えば、DHAには血管の細胞膜に働きかけて柔軟性を高める働きがある。勢いよく血が流れても血圧が上がりにくい。赤血球の細胞膜を柔らかくするため、血行がよくなったり、持久力が増したりするという。βグルカンは白血球の機能を高めて免疫力が向上する効果が期待できる。

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