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温泉食紀行

熊本・山鹿温泉 馬肉 今も息づく、街道の繁栄

2012/7/3 日本経済新聞 プラスワン

眺山庭の露天風呂

地元の人に眺めのいいお風呂と紹介してもらった眺山庭の露天風呂からは、街並みが一望できた。

この日の宿は清流荘。菊池川沿いにあり、客室からも穏やかな川が眺められた。山鹿温泉は湯が豊かに湧く。清流荘も自家源泉を持ち、湯はとてもやわらかく、のんびりいつまでもつかっていたくなる。夕食では馬刺しに舌鼓を打った。

清流荘の女将に、街道沿いの店を回る米米惣門ツアーをすすめてもらい、翌日、参加することに。「山鹿には清れつな水がある。それゆえ良質な米がとれ、米を大阪へ運び、商家は富を得ました。栄華の証しが八千代座でもあります」(木屋本店の井口圭祐さん)。酒蔵、味噌蔵、米蔵などを巡り、店主の説明を聞く。

帰る間に、もう一度馬カレーをと思い「火の国ゆるり庵」に入る。豊前街道石畳カレー(1200円)は、阿蘇のマグマをイメージして作ったという。石焼きのビビンバに使用する器にご飯と野菜のてんぷらが載り、目の前でルーを注ぎ込んでくれる。カレーが跳ね上がり、本当に煮えたぎっているよう。馬肉はタタキにしてあり、柔らかく一口で食べられた。

滞在は丸1日だったが、ゆったりと流れる空気がそうさせたのか、江戸時代にさかのぼったような、今まで経験したことのないような不思議な体験だった。11月にはさくら湯が再現される。お盆の頃の灯籠踊りも幻想的だが、今度はさくら湯の開湯に合わせてまた来たいと思う。

(温泉エッセイスト 山崎 まゆみ)

交通 福岡空港からは高速バスで植木インターチェンジまで約80分、バスを乗り換え約30分。熊本交通センターからはバス約70分
温泉 アルカリ性単純温泉
問い合わせ 山鹿温泉観光協会(電話0968・43・2952、米米惣門ツアーもこちらへ)。彩座(電話0968・43・8880)、山鹿温泉眺山庭(電話0968・44・7712、日帰り入浴は400円)、山鹿温泉清流荘(電話0968・43・2101、1泊2食1万2750円から)、火の国ゆるり庵(電話0968・43・2346)

[日経プラスワン2012年6月30日付]

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