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痔にならないための生活習慣とは

2012/6/21 日本経済新聞 プラスワン

ひそかに痔(じ)の悩みを抱える人は少なくない。日本人の3人に1人は痔になった経験があるという試算もあり、実はごく一般的な不調である。痔にならないための生活習慣のポイントを専門家に聞いた。

■男女の差なく発症

痔は男性の病気と思っている人が多いかもしれない。しかし、実際には男女差はほとんどなく、幅広い年齢層で発症する。

マリーゴールドクリニック(東京都港区)の山口トキコ院長は「昔は女性が受診しにくい印象があり、女性が少ないと思われていたが、最近では女性も気軽に受診できるようになってきた」と言う。実際、同院では患者の8割は女性で、その7割が20~40歳代だという。

そもそも痔とは、肛門にかかる様々な負担が原因で肛門の内側、外側にある「クッション」の部分が大きくなってしまったり、肛門の外に出るようになったりする病気のことだ。

主に3つの種類がある。1つ目はいわゆる「いぼ痔」で「痔核」といわれ、痔の5~6割を占める。2つ目が「切れ痔」ともいわれる「裂肛(こう)」で女性に多い。3つ目がお尻に膿(うみ)のトンネルができる「痔ろう」。男性がなりやすい。

予防や悪化を防ぐには、肛門にかかる負担を軽減する必要がある。「最大の負担原因が便秘や下痢などの排便異常だ」と岩垂純一診療所(東京都中央区)の岩垂純一所長は指摘する。

便秘になると長時間、くり返しトイレでいきむため肛門に強い圧力がかかり、クッション部分がうっ血しやすい。またクッションを支える組織が緩んで大きくなり肛門の外に出る脱出を起こす。さらに、硬い便は肛門を傷つけて裂肛を起こす原因にもなる。下痢の場合には便が勢いよく肛門を通過したり、何度もトイレでいきんだりするのが負担となる。

■しっかり朝食とり、胃腸の働き活発に

排便異常を防ぐには、生活習慣の見直しが不可欠だ。まず便秘予防には、しっかり朝食をとり胃腸の働きを活発にして「起きたら出す」習慣を身につける。加えて「便意を感じたらすぐに排便することも大切。せっかくの便意を逃すことこそが便秘につながる。「特に女性は家族の世話や仕事で、行きたいときに行けないことが少なくない。朝に時間の余裕を作ってほしい」と山口院長。

無理なダイエットによる食事量の少なさや、水分の摂取不足も便秘を招くもと。暑さで水分が奪われるこれからの時期は十分に水分をとりたい。一方、アルコールの多飲は下痢につながるので控えたい。

もう一つのポイントが、トイレでの過ごし方。「痔の手術が必要だった人の排便時間は20分以上が多かったが、手術までは必要なかった人は5分以内だった。いきむ時間や回数が多いほど肛門に負担がかかる。排便時間は3分以内にし、無理に出し切ろうとしないことが大切だ」と岩垂所長はアドバイスする。

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