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健康づくり

ゆっくり入浴、早寝早起き、軽い運動……梅雨時に実践したい生活とは

2012/6/12 日本経済新聞 朝刊

鬱陶しい梅雨。この時期は思いのほか体調を崩しやすい。食中毒はもちろん、低気圧が停滞して気圧が下がると、頭痛などが悪化し、季節性の鬱病にも注意する必要がある。節電の夏を健康に迎えるには、エアコンをうまく使って湿気を避けるほか、できるだけ日を浴びるなどの工夫を心がけたい。

■頭痛や関節痛、実は気圧の変化が影響

「雨が降ると頭痛がする」「古傷や関節が痛む」。梅雨になると、こんな症状を訴える人がいる。耳の奥にある内耳が気圧の変化を感知し、自律神経のバランスが崩れ、痛みを強く感じるからだとみられている。

頭痛は女性が多く訴えるという。我慢できないなら鎮痛剤を使った方がよいが、「緊張性頭痛」の場合は別の対処法がある。セ氏38~40度くらいのぬるめの湯に2~3回に分けてつかり、リラックスして頭の周囲の筋肉の緊張をほぐせば、痛みが和らぎやすい。軽目の運動も効果がある。

この病気は緊張したり、落ち込んだりする人がかかりやすい。実践女子大学の稲葉裕教授は「職場や学校の対人関係を改善し、気分転換できる趣味を持つなど、日常生活でストレスをためない工夫が有効だ」と話す。

関節痛は気圧が下がったときや湿度が上がったときに症状が悪化しやすい。寒い冬よりも天気が悪くなりやすい梅雨の方が痛みを訴える人は増えるという。

■エアコンの除湿機能活用

天気が悪くなる予報が出たら、エアコンのドライ機能などで除湿を心がけたい。冷えすぎに注意しないと、症状を悪化させる。体を動かすと血行がよくなって痛みが和らぐ。無理をせずに少しずつ動かそう。

気圧の変化とは別に、健康への悪影響が指摘されているのが日照量の減少だ。日が短い冬場は気分がめいりやすく、季節性の鬱病にかかる人が多いとされるが、曇りがちな梅雨時も要注意だ。

日差しがなくなると、太陽光が目に入らなくなる。網膜への刺激が減り、脳内で神経伝達物質セロトニンの分泌が減る。セロトニンが不足すると、脳の活動が低下して鬱病になりやすい。不眠や冷え性、疲れが抜けない、食欲がないなどの症状は、天気に応じて変わることも多いという。

治療法は一般的な鬱病と変わらない。抗鬱剤を使うほか、体や心にかかるストレスをできるだけ減らし、休息を多めにとる。

「季節性鬱病の場合、自律神経のスイッチを入れたり切ったりすることを心がけるとよい」。浜松町メンタルクリニック(東京・港)の加藤高裕院長はこう話す。自律神経のスイッチを入れるには、まず朝起きたらすぐにカーテンを開けて部屋を明るくする。晴れていたら、朝陽を30~60分ほど浴びる。

太陽の光を浴びると、約25時間周期で働く体内時計がリセットされて自律神経が働き始め、体が活動状態になる。近所を散歩したり、通勤時に1駅分歩いたりするだけでも十分に効果がある。曇りの日でも、外を歩けば体内時計をリセットできるという。

体内時計がリセットされてから15時間ほどたつと、眠気を促すメラトニンと呼ぶホルモンが出るようになり、自律神経は休みモードに入る。不規則な生活は避け、早寝早起きを心がけたい。

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