トキなぜ増やすの?

イチ子お姉さん 新潟(にいがた)県佐渡(さど)市で飼育(しいく)して外に放したトキにひなが生まれたわ。自然(しぜん)の中でのひなの誕生(たんじょう)は36年ぶりよ。無事に成長するといいわね。
からすけ でも、たくさんの種類(しゅるい)の鳥がいる中で、なぜトキがそんなに大切にされているのかな。よっぽど珍(めずら)しい鳥なんだろうね。

日本産は絶滅、中国産頼み

イチ子 トキも自然の中で多く生息していた時期があったそうだけど、絶滅(ぜつめつ)した、と大正時代の文献(ぶんけん)に記されていたのよ。

からすけ どうして絶滅したの?

イチ子 トキが羽を広げた姿(すがた)はきれいでしょう。淡(あわ)いピンク色で「朱鷺(とき)色」とも呼ばれるわ。だから、剥製(はくせい)にするために捕(と)りすぎていなくなったみたいよ。

からすけ トキって、いつごろから日本にいたのかな?

イチ子 すでに奈良(なら)時代には記録(きろく)が残(のこ)っているわ。トキの学名は日本にちなんで「Nipponia(ニッポニア) nippon(ニッポン)」っていうのよ。江戸(えど)時代の末期(まっき)、長崎(ながさき)のオランダ商館(しょうかん)にシーボルトというお医者さんがいたの。その人が日本の動植物などの標本(ひょうほん)を集め、オランダに送った中に、トキの標本もあって、外国でも知られるようになったのよ。

からすけ だからみんなトキを守るのに一生懸命(けんめい)なんだね。

イチ子 一時は絶滅したとみられていたけど、佐渡で1931年に野生のトキが見つかったの。その後、国の特別天然記念物に指定されたり、国際保護鳥(こくさいほごちょう)に選(えら)ばれたりしたこともあって、トキを保護(ほご)する施設(しせつ)をつくったのよ。これまで佐渡にいた野生のトキを捕(つか)まえて、人間の力で数を増(ふ)やそうとしたけれど、うまくいかなかったわ。そのうちに日本産のトキは絶滅したの。

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