黄身と白身が逆転、星形…変わり種ゆで卵に挑戦

2012/6/15

暮らしの知恵

お弁当のおかずや行楽のお供などに欠かせないゆで卵。普通に鍋でゆでて作れば簡単だが、より見栄えがして、一風変わったゆで卵はできないか。日ごろ料理とはほとんど縁のない記者が台所に立ち「変わり種ゆで卵」作りに挑戦した。

まずは基本のおさらい。ベターホーム協会(東京都渋谷区)のお料理教室講師、越川藤乃さんと一緒に調理に取りかかった。

鍋に卵を入れ、卵の上まで水を張り強火にかける。沸騰まで約8分。殻にひびが入らないよう注意する。「ひびは急に卵の温度が上がるのが原因。冷蔵庫から出し、室温に戻しておくとよい」(越川さん)

沸騰までの間、菜箸で卵をやさしく横に転がす。黄身が真ん中に来るようにするためだ。

沸騰したら、火を弱める。好みの固さに調整するためのポイントは、ここからの加熱時間。3分だけ加熱すると、皿の上で卵自体の形が崩れるほど柔らかい。5分だと白身は固まっているが、傾けると黄身が垂れそうな柔らかめの半熟卵。12分で満月のような黄身が真ん中にある美しい固ゆでの卵ができた。

ここまでは普通のゆで卵作り。さらに手をかけ、子どもが喜ぶような変わったものを作りたい。そう考えて探していると、黄身を星形やハート形にできる調理器具を見つけた。アーネスト(新潟県三条市)の「ドリームランド」という商品だ。

一見、「どうやって作るのか」と不思議に思うが、仕組みは簡単。まず生卵を白身と黄身に分ける。白身を器具の穴に流し入れ、星やハート形の円柱形の模様型を差し込み、約15分ゆでる。型を抜くと星やハート形の穴ができているので、黄身を入れ再度加熱する。

星形やハート形、お弁当に彩り

固まったら器具から卵を取り出す。これを横に切ると黄身が星形やハート形のゆで卵ができる。2回ゆでる必要があるなど「少し手間はかかる」(同社)が、お弁当に彩りを添えるにはもってこいだ。

ただ、器具を使えば誰でもできる。「あれ?」と誰もが驚く「究極の変わり種ゆで卵」はないか。探索を進めると「黄身と白身が逆転したゆで卵がある」という話を聞いた。殻をむくと、まず黄身が出てくるという。

京都女子大学家政学部の八田一教授によると、これは「黄身返し卵」と呼ばれ、1785年に出版された「万宝料理秘密箱」という書物に記載がある。誰も再現できず長い間「幻の卵料理」だったが、八田教授がおよそ200年ぶりに有精卵で成功。その後、教授が無精卵でもできるより簡単な方法を考案した。記者もそのやり方で、黄身返し卵作りに挑戦した。

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