自分で健康管理を

お薬手帳にはカバーをつけて病院の診察券などとまとめ、日々持ち歩くカバンに入れておくとよい。定期健康診断の結果や、薬局で薬と一緒に渡された説明書(薬剤情報提供文書=薬情)も一緒にしておくと、病院や薬局が症状を判断する役に立つ。

自分がドラッグストアで買った薬や健康食品、サプリメントなども、処方薬との飲み合わせに注意が必要かもしれないので手書きでメモしておくとよい。同じ薬でもあとで服用量や期間などが分かるようにその都度記録に残そう。診察時に聞けなかった疑問を手帳に書いておくと、医師や薬剤師が助言もしやすい。「自分の健康管理手帳と考えてほしい」(生出氏)

薬の処方を受ける機会がなく、お薬手帳を持っていない人も、使った市販薬などを自分で書き留めておくと、あとで情報をまとめられる。ちょっとした手間が自分の身を守ることになるようだ。

■お薬手帳にも「電子版」登場 

お薬手帳をもっと手軽に利用できるようにと、薬局大手を中心に「電子版」も広がり始めた。アインファーマシーズとNTTドコモは、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を活用したお薬手帳を開発した。QRコードや非接触IC技術「フェリカ」で薬の情報を取り込め、メモや飲み忘れ防止のアラーム機能などもある。7月から全店に導入する方針。土居由有子上席執行役員は「お薬手帳の携帯率が低い若者世代に使ってもらえれば」と話す。

電子版は日本調剤など他社でも導入が相次ぐ。医薬業界ではデータ処理方式の標準化に向けた検討が進んでおり、国も普及を後押ししている。一方で服薬歴などは他人に利用されては困る。個人情報保護の法整備や技術上の安全対策はもちろん、情報の自己管理も一層大切になる。

(河野俊)

[日経プラスワン2012年5月19日付]

「病気・医療」の記事一覧はこちら

日本の健康経営を推進するポータルサイト

健康経営優良法人認定制度における申請受付をはじめ、健康経営銘柄・健康経営優良法人認定企業の紹介、事例やデータ等を掲載。

>> 詳細はこちら