口腔がん、自分で月1回チェック口内炎と似た症状、2週間続けば注意

舌や頬の内側、歯肉などに発生する口腔(こうくう)がんの患者が増えている。50歳以上が患者の約8割を占めるとされ、高齢社会が進む日本では、この傾向がしばらく続きそうだ。注意していないと気づきにくいため、知らないうちに病気が進行していることが多い。「早期発見が大切」と専門家は強調している。

東京都内に住む60代男性のAさんは、舌に白い部分ができたのに気づいた。近くの歯科医院を受診し、「口内炎なのでそのままで治る」といわれた。ただ症状が消えないため、気になって再び受診すると、白い状態が続く白板(はくばん)症と診断を受けた。

その後、病院の口腔外科を訪れ調べてもらったら、初期のがんと分かった。患部を外科手術で取り除いた。早期だったので1時間もかからずに終わり、1週間で退院した。

「口の中にもがんができることを知らない人が多い」。昭和大学歯科病院に4月に発足した口腔がんセンターのセンター長を務める新谷悟教授はこう話す。同センターは早い段階から様々な専門家が連携して治療をするチーム医療の拠点だ。

口腔がんはがん全体に占める比率は2%程度と小さいが、進行すると命にかかわる病気。治った場合でも口は飲食や呼吸、言葉を話すのにかかわる部分だけに、生活の質(QOL)が低下する恐れがある。日本では毎年約7000人がかかり、死亡者数は同3000人以上という。患者は男性が女性を上回っている。

早期発見が大事

口腔がんで最も多いのが舌にできるタイプ。このほか、頬の内側、歯肉、上あごの天井部分、歯肉と舌の間などにできることもある。いずれも早めに治療すれば治りやすく、QOLへの影響も少ない。早期発見が重要になるが、痛みがないことも多いため気づかず、進行しているケースが少なくない。こうなると、放射線や抗がん剤などを組み合わせた治療が必要になってくる。

発症の原因になるといわれているのは、喫煙や飲酒、虫歯や歯並びの悪い部分などがいつも頬の内側に当たるなど慢性的な機械的刺激。辛い・熱いといった食事の刺激、ウイルス感染、加齢なども関係すると考えられている。特にたばこは影響が大きいとされ、注意が必要だ。

気づきにくいがんだが、実は一般の人が自分で見つけやすいタイプでもある。比較的簡単に、セルフチェックができるので、「月1回、実践してほしい」(新谷教授)。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント