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「2012年問題」色々あるの? オフィス過剰や団塊の退職など様々 エコノ探偵団

2012/4/15 日本経済新聞 プラスワン

「『2012年問題』が日本経済に大きな影響を及ぼしかねないと聞きました」。近所に住む就職活動中の大学生が持ち込んだ依頼に、探偵の松田章司が身を乗り出した。「どんな問題があるのか、調べてみましょう」

「まずはインターネットで下調べだ」。章司が検索サイトで「2012年問題」と入力すると、検索結果の上位には「マヤ暦の予言と地球滅亡の関係」といった内容のサイトが並ぶ。古代マヤ文明の暦が、現在の暦で今年12月22日にあたる日で終わっていることを理由に「地球(または人類)が滅亡してしまう」との説があるのだという。「そんなオカルトみたいな話が経済に影響するかな?」

章司は、世の中の様々な事象と経済の関係について調べている三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉さん(54)に話を聞いた。「マヤ暦についてはわかりませんが」と笑いながら「今年、米大統領選挙をはじめ世界各国で大きな選挙が相次ぐことは経済に影響しそうです」と説明を始めた。

3月のロシア大統領選に続き、今月から来月にかけてフランス、11月に米国、12月には韓国で大統領選挙がある。中国でも今秋、最高指導者が交代するとみられている。こうした年には自国の景気を良くしようとする政策が採用されやすく「特に米国は大統領選挙の年に経済成長率が高く、株価が上昇しやすい経験則がある」(宅森さん)という。米国の景気や株価は日本への影響も大きい。

■供給量12%増

あちこちで高層ビルが建ち、オフィスは供給過剰状態へ

章司がさらに調査を続けようと東京の都心部を歩いていると、あちこちで新しい高層ビルが建っていることに気付いた。「そういえばオフィスビルにも『2012年問題』があると新聞で読んだ記憶があるぞ」

章司は森ビルに向かった。「今年の東京23区の新規オフィス供給量は、延べ床面積で154万平方メートルで昨年より12%増える見通しです」と担当者。150万平方メートルを超えるのは6年ぶりで、1986年以降で3番目の高水準だという。

今年、供給が始まるオフィスビルの多くが2007年頃に計画が始まった。当時は景気回復期待などから都心部の大型再開発が一斉に動き出すなど「不動産ミニバブル」と呼ばれた。

小さなオフィスビルを持つ会社の経営者(62)に話を聞けた。「空室が増えるので困ります。テナント引き留めのため、賃料を下げざるをえません」と渋い表情だ。「おまけに『エレベーターの2012年問題』もあり、年内に更新しなければならないかも」と不安げだ。日立製作所や三菱電機など大手エレベーターメーカーが今年あたりから、製造中止後20~25年程度たった機種の交換部品を供給しなくなるからだという。一社が供給停止の方針を明らかにすると、ライバル企業も次々に追随して「問題」が大きくなったようだ。

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