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30代男子、ピーマン嫌い克服に挑戦 「生」ならOKに、その食べ方は…

2012/4/20 日本経済新聞 プラスワン

研究に携わったお茶の水女子大学の森光康次郎准教授によると、ピーマンの苦みはポリフェノールの一種であるクエルシトリンに香り成分が加わって感じる。

さらに「ピーマンの香りはホウレンソウなどとは違い、加熱しても消えません。むしろ他の香りが薄まり、ピーマンの風味が際立ちます」と教えられる。

やり方が間違っていたのかと肩を落とす記者に「苦み成分が少ない『こどもピーマン』という品種がありますよ」と森光准教授。緑ピーマンをそのまま完熟させた赤ピーマンも甘みが強いという。

教えてもらった2種類のピーマンを一般のピーマンと同様の調理法で試すと、同じピーマンでもこんなに違うのかというほど味に差があった。赤ピーマンは苦みよりも甘みが先にくる。酸味も特徴的だ。こどもピーマンは苦み以外の味は緑ピーマンそのままで、特有のにおいが少ない。

■ミキサーで砕くとさらに臭い強烈

これなら生でも食べられるのではないか。気を良くした記者は、3種のピーマンをミキサーで粉々に砕いて食べ比べてみた。形を変えれば食べやすくなると見込んだが、結果は失敗。

とろっとした食感で苦みこそ少なかったものの、青臭いにおいは湯通しした時より強烈。特に緑ピーマンは辺り一面に漂うにおいでクラクラして、まったく食べられなかった。

最後に何も調理せず、ただ切っただけの生ピーマンを試す。口に運ぼうとして驚いた。どんな調理法よりにおいが少なかったのだ。こどもピーマンや赤ピーマンはもちろんだが、緑ピーマンも我慢できないほどではない。においが少ないからか、味も苦みを思ったほど感じず、緑ピーマンも何とか普通に食べられた。

まさか、こんなストレートな方法が一番うまくいくとは思わなかった。じっくりと苦みとにおいを確認したことはなく、イメージで「生でなんて絶対無理」と思い込んでいたようだ。

記者は緑ピーマンを生なら無理なく食べられるようになったが、青臭さや苦味がどうしても苦手な人もいるだろう。その場合は赤ピーマンやこどもピーマンをまず食べてみる方法がおすすめだ。特有の風味が断然少なく、無理せず食べることができる。慣れてきたところで、緑ピーマンを試すのが良いだろう。

味覚には個人差もある。記者は3種の中では緑ピーマンが苦手だが、妻は「風味が良く一番おいしい」と好みは分かれた。自分にあった味を見つけるのも克服の近道といえる。

今回の実験では50個近くのピーマンを使った。しばらくは遠ざかりたい気持ちだが、冷蔵庫にはまだ大量に残っている。もちろん食べ残すわけにはいかない。ピーマンとの付き合いは当分続きそうだ。

記者のつぶやき
ピーマンは子どもが嫌いな野菜の代表格だが、大人になれば好きになることが多い。こどもは甘みを好む一方、苦味が嫌い。苦い=おいしくない、と感じてしまうという。
年をとれば味覚は変化し、苦味も理解できるようになる。記者も初めてビールを飲んだ時は苦くて全然おいしいと思わなかったが、今では何杯でもいける。野菜に限らず、かつて嫌いだった食べ物に再挑戦していきたい。
(田中裕介)

[日経プラスワン2012年3月24日付]

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