布団の丸洗いも

最も効果的なのは布団の丸洗いだ。十分に水洗いをすることで、とれにくい死骸やフンをほとんど除去することができる。週1回程度の天日干しも有効で、ダニを殺すことは難しいものの、乾燥させてダニの増殖を防ぐ効果が見込める。

ダスキン開発研究所研究員の桂禎邦さんによると「干す際にバンバンたたくより、後で布団に掃除機をかけた方が効果的」という。1平方メートル当たり1分を目安に時間をかけて吸い取る。布団・枕カバーやシーツもこまめに洗濯して取り換えたい。

ダニと同様に、湿度が上がると発生するカビの対策も重要になってくる。カビを餌とするダニの温床になるうえ、カビの胞子や菌糸がアレルギー症状を起こす原因にもなるからだ。

晴れた日に窓を開けて換気をし、湿度を下げることを心がけたい。浴室や台所などカビが発生しやすい場所では使用後も換気扇を回し続けたり、風呂の水を使用後に抜くなど工夫しよう。

ダニ・カビ対策で気をつけたいのが洗濯物の部屋干しだ。室内の湿度が上がり、増えやすいため避けたい。花粉症の人や梅雨の時期など、やむを得ない場合は除湿機を使う。「干す時は湿気を吸いやすい畳の部屋などを避け、後で床を掃除機がけする」(桂さん)といった注意も必要だ。

今まで挙げてきたダニ対策は1回で済むものではない。特に、基本となる掃除は何回も繰り返す必要がある。このため、日ごろから家具を片付けて、床に雑誌を散らかさないなど、効率的に掃除できる環境を整えることが、継続的なダニ対策につながる。

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入浴後にスキンケアを

アレルギー症状の改善には、ダニ対策以外の取り組みも必要になる。

アトピー性皮膚炎は、アレルゲンやウイルスなどの侵入を防ぐ皮膚のバリアー機能の低下が原因の一つとされている。東京逓信病院皮膚科部長の江藤隆史さんは「ダニはどんなに駆除してもゼロにはできない。皮膚に水分・油分を補給し、バリアー機能を高めることが大切」と話す。

入浴の時には、肌の粘膜を傷つけないように、強くこすらず、ゆっくり洗おう。「入浴後には、保湿剤を塗るなどのスキンケアが効果的だ」(江藤さん)という。

ダニが引き起こす病気には、ヒゼンダニによる疥癬(かいせん)という皮膚病もある。皮膚炎を起こし、時には眠れないほどの激しいかゆみが特徴だ。病院や老人ホームなどで発生しやすい。感染症なので、疑わしい場合は早めの診断を心がけたい。

(田中裕介)

[日経プラスワン2012年3月31日付]