ランナー注目、ランニング向けアプリ コース表示、消費カロリー管理…
春本番。ランナーが待ちに待った季節がやってきた。存分に楽しむために今、活用したいのが、ランニング向けのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)アプリ。走ったルートを記録したり、スピードをコーチのように指示してくれたり。自分にあったアプリを活用すれば、これまで以上に体力アップも期待できそうだ。
「ジムのマシンで走っているときのように情報が手に入るのがうれしい」。東京都に住む会社員、伊藤純さん(仮名、30)は週2日、健康維持のために近所をランニングしている。その際、手放せないのがiPhone(アイフォーン)のアプリ「ジョグノート(JogNote for iPhone)」だ。
ジョグノートはスマホの全地球測位システム(GPS)の機能を利用し、走る速さや距離などをリアルタイムに表示する。コースや消費カロリーも自動で保存され、日々の記録をいつでも確認することができる。
目的別にメニュー作成
ランニングコーチ役を務めてくれるアプリもある。アディダスジャパン(東京・新宿)の「マイコーチ(micoach)」。ランニング中に、走る速さなどを指示してくれるのが特徴だ。
アプリは無料で、スマホにインストールしたら、メールアドレスなどを登録。あとは健康維持などランニングの目的や練習の強度、1週間あたりの練習回数を入力すれば、プロのトレーナーが監修した3000以上の練習メニューから適切なものを自動で選び出してくれる。
ランニング中は速度がプランから外れると、即座にスピード修正の指示が飛ぶ。東京都に住む会社員の石川愛さん(28)は「まるで専属コーチがついているよう。トレーニングの効果も上がる」と笑う。
ランニングの目的は体力アップだけではない。さまざまなコースを楽しみたい、という人も少なくないだろう。そうしたコースの情報を提供するサイトも広がっている。たとえば休日には1万人強(2011年2月時点)もの市民ランナーが走る皇居外周。人気の高まりに対応し、地元の千代田区観光協会はサイト「皇居ランナーズ+」を設け、情報提供を行っている。
皇居外周の見所解説
1周およそ5キロメートルのコースから、17地点を取り上げ見所などを解説。写真も多数掲載されており、走る前からコースのイメージをつかむことができる。
皇居ランには独特のマナーもある。月に数回、皇居の周りを走っている東京に住む会社員の室井可奈子さん(27)は「はじめは暗黙のルールが多く戸惑った」という。たとえば走る方向は時計回りか反時計回りか。正解は「反時計回り」。皇居を常に左に見ながら走るのがマナーだ。また、左側通行も原則。皇居ランナーズ+ではマナーを紹介するページも設けている。これから始める人は目を通しておくとよいだろう。
着替える場所など皇居周辺の拠点情報も重宝しそう。サイトでは3つのエリアに分け、26施設を紹介しており、都合がよい施設を調べておくと便利だ。
皇居外周のような著名なコースはともかく、自分で見つけたルートの距離や高低差を調べるのは簡単ではない。情報が必要な時はヤフーが運営するサイト「ルートラボ」を試してみるとよい。
サイトの地図上をクリックするだけでスタートとゴール地点が設定でき、道に沿って自動的にルートを描画。標高のグラフも表示される。無理のないコースを選ぶためにも、活用してみてはいかがだろう。
気候のいい春はついつい気分が盛り上がり、走る距離も長くなりがち。アプリやサイトの情報を活用し、体調も考えながらランニングを楽しもう。
(証券部 佐藤俊簡)
[日本経済新聞夕刊2012年3月29日付]
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