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エコノ探偵団

早割ってもうかるの? 空き減らし 利益最大に

2012/3/25 日本経済新聞 プラスワン

「旅行に出かけた友人の飛行機代やホテル代、通常の半額以下だったらしいんです。早割で買ったらしいんですが……」。大学の後輩からの調査依頼に探偵の深津明日香が声を上げた。「それだけ値引きして、会社はもうかるのかしら」

日本航空は55日前までに予約すれば、最大で83%割り引く早割を新たに追加した(東京都千代田区の国内線発券カウンター)

「まず航空会社に聞いてみよう」。全日本空輸に向かうと、大塚大さん(39)が応対してくれた。同社の早割運賃を購入するには相当前から予約を入れ、支払いも済ませる必要がある。キャンセル料は高く、座席数に限りがあり時期や出発時間帯でその数は変わる。その分安く人気は高い。

■最大83%引き

「競争が一段と厳しくなっているため、3月25日搭乗分から新しい早割を加えました」と大塚さん。55日前までに予約すれば、最大で83%割り引く。

日本航空も55日前までに予約すると格安で飛行機に乗れる早割を追加した。「格安航空会社(LCC)の運賃なども研究しながら料金を決めました。今のところ手応えは上々です」。岩田康弘さん(39)は自信満々な表情で話す。

次に明日香はホテルの予約サイトを運営する一休へ。同社の昨年5月の場合、30日前までに予約する早割プランを使う人は、1週間切って予約する人に比べ約5000円安く済んだという。「予約した人の1割弱がこのプランを利用しました」と渡辺舞さん(38)。調べてみると自動車教習所などでも早割があった。

「私たちはお得でうれしいけれど、企業や運営者はもうけ損なっているはずよね。どうして広がるのかしら」。喫茶店で思案していると「それは『イールドマネジメント』という考え方が浸透し始めたからです」の声。欧米の企業経営に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの永野和雄さん(49)だった。

イールドは英語で利回りの意味だが、経営学では1単位当たりの供給能力、例えば飛行機では1席が生み出す収益を指す。この収益を最も増やす手法が「イールドマネジメント」。「レベニュー(収入)マネジメント」とも呼ばれる。

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