ライフコラム

エコノ探偵団

全国に広がる出会いの場「街コン」 効果はある?

2012/3/18 日本経済新聞 プラスワン

「『街コン』という市街地の飲食店で開く大規模な合コンが人気らしいぞ。行ってみないか」。探偵、松田章司に友人から誘いがかかった。「全国で行われているらしいな。商店街がにぎわったり、彼女ができたり、成果はあるんだろうか」

まず街コンの様子を自分の目で確かめようと、章司は千葉県船橋市で開かれた「船コン」を訪ねた。2月下旬の日曜日。午後2時にJR船橋駅近くの飲食店のドアを開けると「皆さんの出会いに乾杯!」の声が響いた。「今度一緒に料理教室に行こうよ」。お酒の勢いも手伝ってか、初対面同士でも会話が弾んでいた。

■全国約200カ所で企画

参加者は20歳以上の男女が200人ずつ。目印のリストバンドを巻いておけば、会場に指定された11店ならどこでも飲み放題、食べ放題だ。参加費は男性が6800円、女性が3800円。同僚と参加した女性(24)は「知り合いの紹介じゃないので、気を使わずに話せます」とほほ笑む。

街コンの仕組みはどこもほぼ同じ。男性なら6000円前後、女性は4000円ほどを支払い、複数の飲食店をハシゴしながら異性と出会う。3~4時間の制限時間内なら追加料金を取られることはない。主催者で多いのは、地元飲食店やイベント会社などの有志による実行委員会だ。これをきっかけに結婚が増えることを願い、自治体が後援することもよくある。

情報サイト「街コンジャパン」を運営する吉弘和正さん(42)に問い合わせると「昨年の6月ごろは10カ所程度でしたが、今は全国約200カ所で企画されています」と答えてくれた。1回あたり数百人から数千人と定員に幅はあるが、大抵いっぱいになるそうだ。

「なぜこんなに人が集まるんだろう」。若者文化に詳しい電通総研の穴沢秀朗さん(27)に尋ねると「店を回りながら異性と話し、気が合わなければ相手を変える。この緩さが心地よいのです」と教えてくれた。

一方、主催者や自治体は、この人気をまちおこしにつなげようとしていた。長引く不況に人口減少が重なり、シャッター通りと化した中心市街地は珍しくない。中小企業庁の調査では、全国の商店街の約8割が「衰退している」「衰退の恐れがある」と回答した。

都市部も苦戦している。3月に初の街コンを行った全国有数の繁華街、東京・六本木。「リーマン・ショック後に客足が急に落ち、危機感が募っていました」と主催者は打ち明ける。

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