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納豆、ベストの混ぜ方は? 1万回混ぜると…

2012/3/23 日本経済新聞 プラスワン

「たくさん混ぜても味が大きく変わるわけではない」。納豆大手のミツカングループ本社に聞くと、こんな答えが返ってきた。

納豆のうまみ成分はアミノ酸。かき混ぜると増えるという明確なデータはないという。変わるのは食感。ネバネバが増せば、舌に触れる面積が広がりうまみが伝わりやすくなる。ただそれも多すぎると豆の食感が損なわれるので、バランスこそが大切という。結論としてマイベスト混ぜ回数は300回に決定した。

砂糖を入れるとネバネバに威力

普段はタレやからしを入れるだけ。しかし、入れる調味料を変えたら、納豆の味を構成する要素の「粘り」と「におい」が変化するはずだ。次は合わせる調味料との相性を探った。

まずは「納豆の粘りも、においも強い」調味料のグループ。納豆らしさを好むマニアックな人にぜひ薦めたいと思ったのが砂糖だ。東北地方ではよくある食べ方というが、納豆をPRする全国納豆協同組合連合会(東京都台東区)によると、ポリグルタミン酸などネバネバの成分が、糖と結びついて威力を増すのだという。納豆1パックに小さじ1杯入れたが、甘いというほどではない。

「粘りも、においも弱い」のは液状で納豆本来のにおいを和らげる調味料群、ビギナー向けだ。納豆連合会によると、納豆のアルカリ性の臭気は、酢など酸性のものを加えると中和できるという。また油分はにおいを包み込んで抑える。

合うのは同じ発酵食品の味噌やトウバンジャンだ。納豆の風味とケンカせず、ほどよくにおいを打ち消す。発酵系のおかず、キムチや野沢菜などの漬物と一緒に食べたい。ただ、ポン酢やおろしニンニクは、においが強すぎる。オリーブ油は味がイマイチだった。

次いで「粘りは強いが、においは弱い」グループ。粉末タイプで水分が減るためネバネバになるが、調味料自体の強い香りが目立つものだ。ひと味違う納豆料理の創作派に向く食べ方といえるだろう。この創作派グループの一押しはカレー粉。カレーライスに納豆を入れるとおいしいが、ぴりっとした風味はパンに載せても酒のつまみにもいい。

最後の「粘り弱、におい強」はタレやしょうゆなどスタンダード。いろいろな味を試した後、やはり安心感があり、最後に戻ってくるのはここだろう。

計29種類を試した中で一押しの「カレー粉入り」を納豆嫌いの編集委員(50)に味見してもらった。眉間にしわを寄せながらも述べた感想は「嫌いな私でも少しは食べられるかな」。手応えを感じた。

記者のつぶやき
今回、最も合わないと思ったのが「スポーツ飲料の粉末」。アミノ酸やクエン酸が入っているからアルカリ臭を抑え、糖分も入っているから粘りが増すのではと思って試した。ところが、かんきつ系の爽やかな香りと甘みが、納豆の風味と混ざって何とも不思議な味わいになる。それぞれはおいしいのに、残念だった。
(栗原健太)

[日経プラスワン2012年3月17日付]

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