ヘルスUP

病気・医療

ひどい息切れ・せき「COPD」 まず禁煙、薬で悪化防ぐ 女性に多い病気 男性より重症化しやすく

2012/3/17 日本経済新聞 夕刊

たばこなどが原因で発症し、ひどい息切れやせきが続く慢性閉塞性肺疾患(COPD)。女性は男性よりたばこの害を受けやすいといわれ、男女の喫煙率に大きな差がない米国では、女性患者が目立って増えている。日本でも、近年は若い女性を中心に喫煙率が上がっているうえ、たばこを吸わなくても身近に喫煙者がいると受動喫煙から発症するリスクもある。女性にとって注意すべき病気の一つだ。

専用の機器を使って女性の呼吸機能を調べる取り組みも進む(独協医科大・石井センター長提供)

COPDは空気の通り道である気道の炎症や、酸素を交換する肺胞の破壊などが起こり、徐々に呼吸が苦しくなる。「慢性気管支炎」や「肺気腫」といった病気の総称だ。

重症ならボンベも

壊れた肺は元に戻ることはなく、階段で息切れしたり、せきやたんが続いたりするなど生活の質(QOL)が大幅に下がる。重症だと酸素ボンベを手放せなくなる。運動量が減り、寝たきりになることもある。喫煙習慣が長いほど発症しやすく、中高年に多い。患者の90%以上は喫煙が原因で発症したと考えられ、「たばこ病」とも呼ばれている。

女性の喫煙者が少なかった時代は男性の病気とされていた。米国では1980年代以降、COPDによる男性の死亡率が頭打ちになる一方、女性は喫煙者増の影響で死亡率が急増した。今では男性を上回ったという。

国内ではCOPDの有病率や死亡率は、男性が女性の3倍とまだ高い。喫煙率に差があるためだが、男性の喫煙率が減少傾向にあるのに対し、女性はほぼ横ばいで、その差は縮まっている。

女性ではストレスなどをきっかけに、たばこを吸い始める場合も少なくないという。「社会的なストレスを抱えた女性は、喫煙に依存する例が見受けられる」と独協医科大学呼吸器内視鏡センターの石井芳樹センター長は指摘する。

たばこの本数が多く、吸っていた期間が長いほどCOPDのリスクが高まる。喫煙者の増加からCOPDによる死亡者増までのタイムラグはおよそ30年といわれている。特定非営利活動法人(NPO法人)の女性呼吸器疾患研究機構理事長で医師の宮元秀昭氏は「今後は米国と同様に女性患者の急増が見込まれる。女性に関係のない病気と思わないでほしい」と強調する。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL