一方、夜間や雨の日は花粉が飛びにくいので、対策をしなくても良いと考える人もいるが、これもダメ。「花粉飛散数が多い時間帯は昼前から夕方だが、夜間の飛散も珍しくなく、日中落ちた花粉が風などで再飛散することもある。うまく花粉を回避するには、環境省のウェブサイト『はなこさん』などでリアルタイムの花粉飛散情報を確認するといい」とメディカルプラザ平和台病院(千葉県我孫子市)耳鼻咽喉科の今井透医師は助言する。
また、雨の日は、降り始めに空気中の花粉が雨とともに落下して飛散数が増えることもある。「雨の翌日は花粉飛散数が翌日回しになり、倍量飛ぶと考えた方がいい」(今井医師)
花粉症対策として推奨されているのが、マスクやゴーグルなど、花粉から鼻や目を防御する品々だ。コンタクトレンズも、角膜を覆うため、ある程度花粉付着を防ぐ効果がある。ただし、「かゆみの症状がひどくて目をいじってしまったり、結膜が充血するなどの炎症が起こっている場合には、コンタクトレンズの装用を控えた方がいい」と大久保教授。
目の水洗いがいいとされたこともあるが、最近では否定的だ。目を刺激することになり、かえって症状が悪化することもある。
女性の場合、花粉を落とすためにゴシゴシと顔を洗うケースもあるようだが、これも間違い。今井医師は、「ドライスキンや荒れた肌は花粉の影響を受けやすい。化粧を落とす際には、なるべくこすらず、優しく水で花粉を落としてから、クレンジングするのが望ましい」と話す。
様々な花粉症対策を行っても、症状が抑えられなくなったとき、市販薬と医療機関で処方してもらう薬のどちらがいいのだろうか。今井医師は、「通常、処方薬の方が高い効果が得られ、副作用が少ない」という。ごく軽症で市販薬で満足できる場合を除き、医療機関を受診し、薬を処方してもらうのがいいようだ。