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兵庫・淡路島 信仰集める古事記の舞台 国生み神話の島歩く

2012/3/10 日本経済新聞 夕刊

日本がいかにつくられたのかを伝える国生み神話によれば、本州、九州、四国などに先だち、最初に生まれたのは淡路島だという。今年で編纂(へんさん)1300年となる古事記では、淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)として登場する。国生み神話ゆかりの島を訪ねた。

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矛先のような形をした沼島のシンボル「上立神岩」

まず向かったのは、島の中心からやや北にある伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう、淡路市)。国生みを手がけたイザナギとイザナミを祭っている。神話によれば、イザナミは火の神イカヅチを生んだ時のやけどがもとで亡くなり、黄泉(よみ)の国へ行く。一方のイザナギは淡路の幽宮(かくりのみや)に隠れたと日本書紀にある。伊弉諾神宮はこの幽宮を名乗る。

興味深いのは本殿の向かって左側にある祓殿(はらえでん)の存在。イザナミに会いに行ったイザナギが黄泉の国から戻った際、けがれをはらったことに基づくという。「地元の方々はまず祓殿に参ってから本宮(本殿・拝殿)に向かうので、すぐに分かります」と宮司の本名孝至さんは話す。

本殿の右側にある樹齢約900年、高さ30メートルあまりの大樹、夫婦大楠(めおとおおくす)。夫婦円満、縁結び、安産などの御利益があるとして多くのカップルが足を運ぶ。もともと2本だったクスノキが根を合わせて1本になったもので、イザナギ、イザナミの2神が宿るとされる。

「(神話で)国造りではなく国生みと表現している点に注目したい。自然を自分たちのはらから(同胞)としてとらえる日本人の姿がうかがえます」と本名さん。史実かどうかは別にして、神話には古代の人々の思想が詰まっている。

実は神話では淡路島より先にできた、国生みの足がかりとなった島がある。「オノゴロ島」だ。イザナギ、イザナミが天の浮橋に立って、沼矛(ぬぼこ)を混沌とした下界に突き刺す。コオロコオロとかき回して引き上げると、沼矛の先から塩がしたたり落ちる。それが積もってオノゴロ島ができた――と古事記は記す。

国生みの舞台とあって、「我が島こそオノゴロ島」と名乗りをあげる候補地は複数ある。淡路島の南側に位置する沼島(ぬしま、兵庫県南あわじ市)もその一つ。勾玉(まがたま)のような形をした面積2.7平方キロほどの島で2月末現在で533人が住む。

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