「つながる」って便利? 活発に往来 効率よく調達「ほころび」波及しやすくエコノ探偵団

<神経細胞に学ぶ?>情報の流れに中心的役割の存在

「つながり」を探るネットワーク科学は、医学など自然科学から研究が始まった。脳の中で神経細胞がどう広がるのかを探る研究手法が、最近は経済学など社会科学にも応用されている。東大教授の渡辺さんは「両者を見比べると、仕組みが似ている部分もあれば、まったく違う動き方をする面もある」と話す。

経済と神経細胞には意外な共通点も

多数の取引先を抱える商社や銀行などハブ企業は、複数の情報を集約し、やりとりする働きをする。神経細胞同士の情報をやり取りする結節点「シナプス」と同じ役割といえる。

経済を引っ張るリーディング産業の盛衰とともに、シナプス役を担うハブ企業も代替わりしていく。ここの動静や交代が景気循環に影響するとの見方もある。

一方、神経細胞と企業行動など経済分野で異なるのが、「迂回路」の考え方だ。神経細胞はどんどんつながりを増やしながら、確実に情報が伝わるようにしている。ところが、企業は特定の有力取引先との関係をより太く、深くしがちだ。安定性を優先した故だろうが、もし相手に問題が生じれば、大きな痛手を被ってしまう。神経細胞から学ぶ危機対策もあるはずだ。

(野見山祐史)