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「つながる」って便利? 活発に往来 効率よく調達 「ほころび」波及しやすく エコノ探偵団

2012/3/4 日本経済新聞 プラスワン

「東京駅と上野駅の間で何やら新しい線路を造っているな」。神田のご隠居、古石鉄之介が事務所で探偵、深津明日香に話しかけてきた。「つながると便利になるとよく聞くが、本当にそうかのう」。言葉に詰まった明日香は調査を始めた。

便利にはなるが、問題も…(工事中の東北縦貫線)

ご隠居が話していたのはJR神田駅から北へ100メートルほどの場所。明日香が向かうと、東北新幹線の上に線路を敷く工事が目に飛び込んできた。「在来線が走っているのに、わざわざ造るのはどうしてだろう」

■乗り換え不要

理由を探るため、新線を建設する東日本旅客鉄道を訪ねると、渡辺朋弘さん(40)が応対してくれた。「『東北縦貫線』のことですね。完成すると、上野止まりの常磐・宇都宮・高崎線と、東京止まりの東海道線がつながって、乗り換えなしで関東の南北が行き来できるようになります」

明日香が「上野と東京はすでに山手線や京浜東北線で結ばれてます」と食い下がると、渡辺さんは「所要時間が短縮され、使い勝手がよくなります。北関東からの乗客が買い物などで有楽町や品川に気軽に足を延ばすといった新たな需要の掘り起こしも期待できるのです」と狙いを話した。

渡辺さんは東京駅の特徴も解説してくれた。「行き止まりが多い海外のターミナル駅と異なり、通り抜ける路線が多いのです」。利点の一つが車両基地の場所。行き止まり型だと基地の確保が大変だが、通過型は線路が延びている場所ならどこでも構わない。東京駅を通り抜け型構造にしたのは、鉄道院の初代総裁を務め、関東大震災後の帝都復興を率いた後藤新平の考えを映したともいわれる。

遅延証明書

明日香は地下鉄を運営する東京メトロにも聞いてみた。「サービス向上の柱として相互乗り入れを進めています」と三宅亮平さん(31)。同社の営業距離は195キロメートルだが、直通運転する他の鉄道会社の路線も含めると、その距離は東京―大阪間に匹敵する520キロメートルに上る。

来年度中には地下鉄副都心線が東急東横線と相互乗り入れを始め、池袋や新宿などと神奈川県が一本で結ばれる。「つながりが広がると移動が簡単になり、行き来が活発になる」。明日香はメモした。

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