腰痛防止は足元から まず足裏・脚のトレーニングを

運動不足による筋力低下や、姿勢の悪さによる血行不良から、腰痛になる人は多い。腰を支える腹筋や背筋を鍛えることも大切だが、専門家らは、体を支える足裏や脚の筋肉から、まずトレーニングをすべきだと指摘する。

足の裏の筋肉が衰えてアーチが落ち込んだ足の模型(左)と正常なアーチのある足(右)

都内在住のMさん(43)は運動不足を解消するため、週3回スポーツジムに通い、ランニングマシンでジョギングを始めたが、ひどい腰痛に悩まされるようになった。「時々腰が痛かったので、運動で体重を減らしていこうとしたのに逆効果だった」という。トレーナーに相談したところ、足の指先付近にあるはずの横アーチがほとんどなく、着地時の衝撃がじかに腰に伝わり、負担をかけていると分かった。

歩くバランス大切

足の裏には3つのアーチがある。土踏まずと小指からかかとにかけての縦の2つのアーチと指先に近い部分の横アーチだ。土踏まずの無い足を「扁平(へんぺい)足」といい、主に縦アーチが落ち込んでいる。Mさんの場合は横アーチが落ち込み、全体的に足幅が広がって見える「開帳足」と呼ぶ状態だった。

腰痛と運動との関係に詳しいアスカ鍼灸(しんきゅう)治療院(東京・品川)の福辻鋭記院長は「腰痛を訴える人の足裏を見ると、アーチが無い人が目立つ」と言う。二足歩行する人間にとって、バランスを保つために、足裏の筋肉は必要だ。加齢などで筋肉が衰えてアーチが崩れると、足裏の血管が圧迫されて血行が悪くなるうえに、歩行時の衝撃を分散できず腰痛を招くことになる。

足の骨の真下で土踏まずの少し後ろ側に体重がかかるのが、理想的な着地だ。ところが、アーチが無くなると体重がかかるポイントが前後にずれ、ふくらはぎなどの脚の筋肉がいびつに伸ばされるようになり、アンバランスな歩き方や立ち方になり腰への負担も増すという。

東京女子医科大学の新城孝道講師は「足裏だけでなく脚全体の筋肉を鍛えていくことが大切」と強調する。靴専門店のフスウントシューカルチャー本店(東京・台東)と一緒になって、歩き方や姿勢、足底にかかる圧力を調べ、主に下半身の筋肉や関節、骨の動きの問題点を診断している。

左の腰に痛みを訴える都内勤務のYさん(40)の歩き方を足元、真正面、横から録画して分析、足底の圧力を測ったところ、左足の筋肉が右足に比べてかなり弱いことが分かった。長年の癖でかばんを右肩にしかかけられず、知らず知らずのうちにバランスを欠き、弱い左に腰痛が出たようだ。

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