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「両利き」になりたい! 左手生活、1カ月特訓

2012/2/24 日本経済新聞 プラスワン

「右利き」として38年間生きてきたが、腕のケガをしている人を見て、この右手に頼れなくなったらどんな生活になるのかと疑問を持った。左手中心で日々を暮らすと、どこまで右手に迫れるか。文字を書いたり、包丁を握ったり、1カ月間かけて試した。

左手で取り組む3つの課題を決めた。第1に箸使い。豆30粒を割り箸で1粒ずつ別の器へ移す時間で習熟度を測る。第2は包丁使い。キュウリの半月切りが30秒で何枚切れるようになるか。第3はきれいな文字を書く。百人一首を毎日4首ずつ漢字練習帳に書き写すことにした。

しつけ箸で練習、ラーメンも平気

初めて割り箸を左手で持つと、どの指をどう動かすのか分からない。何とか豆を移すが、小指の付け根の筋肉がつりそうだ。右手の平均は51秒だったが、左手は2分45秒かかった。

下手につまむとつるっと逃げる。追えば逃げるの悪循環。小指の付け根が痛まないように2本の箸の間隔を保ち、豆をすくい入れるズルい技を編み出した。なんとか2分を切ったが、それ以上の進歩はない。

やっぱり右手のようにきっちり豆を捕らえないとダメだと考え直し、2週目に左利き用の「しつけ箸」を購入した。親指や人さし指、関節を当てる位置がくぼみで分かる。毎日箸の動かし方の基礎を練習してから課題に挑む。

最初は2本の箸がむなしく空を切り、先が合わない。手がつりそうで15分が限度だったが、2日もすると30分に伸び、ほどなく新聞を読みながらでも箸先を合わせてカチカチ音が鳴るようになった。

3週目に成果が出なかったのは、しつけ箸が細過ぎて豆が逃げるため。4週目に表面積の広い割り箸に戻すと結果は上々。豆を移す時間は最短で1分2秒まで縮まった。最終日の左手での食事は、困難を極めていたラーメンを、するりと食べられるようになった。

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