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よく寝たのに眠くてたまらない 「過眠症」の恐れも

2012/2/18 日本経済新聞 夕刊

 ナルコレプシーでは寝入りばなに現実と区別がつかないほど生々しい夢をみたり、頻繁に金縛りを体験したりすることもある。こうした現象が起こるのは、脳は起きているが体は眠っている「レム睡眠」になるからだ。杏林大学の古賀良彦教授は「レム睡眠は普通、寝付いてから1時間以上たたないと起きないが、患者は就寝間際にいきなりレム睡眠になるため、金縛りなどが頻発する」と解説する。

 治療ではまず規則正しい生活を送り、夜はしっかり眠るようにする。短時間の昼寝も効果がある。薬もある。昼間は眠気を軽くする薬を、夜間にはレム睡眠を抑える薬を併用するのが一般的だ。ただ完治は難しい。

 このため病気と根気よくつきあうとともに、家族や職場の上司・同僚、学校の先生・友人などに、この病気を理解してもらうことが重要だ。「周囲の人々が見守ってくれれば、患者の不安も減る」(古賀教授)

 ナルコレプシーとは別のタイプの「反復性過眠症」も10代での発症が多い。頻度は1万人に1人程度で、成人すると自然に治る例もまれではない。発症時は1~2週間程度、昼間でも眠くぼんやりする生活が続くが、この期間を過ぎると改善する。

 この病気は名前のとおり、症状が繰り返し表れる。数回で終わることもあれば、数カ月に1回のペースで頻繁に出ることもある。発症時は判断力や性的欲求を抑える能力が低下するため、「だまされたり、男性では痴漢行為をしたりする患者もいる」と古賀教授は話す。疲労や不規則な生活などが原因で発症することが多いという。

 一方、「特発性過眠症」は症状が弱まることはなく、昼間も眠い状態が続く。例えば上司から叱られると最初だけは時間通りに出勤できるが、絶え間ない眠気からすぐに無断欠勤を繰り返すようになる。仕事をさぼっていると誤解され、退職を余儀なくされる患者もいるという。発症頻度は反復性と同程度だ。

 反復性、特発性もナルコレプシーと同じく現時点では完治は難しい。薬で一時的に眠気を覚ますことはできるが、使用量が増えると効きにくくなったり、副作用で体重が増えたりする。

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