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ペットの感染症にご用心 口移しや添い寝は禁物

2012/2/8 日本経済新聞 朝刊

犬や猫を室内で飼う人は多いが、気をつけたいのが感染症のリスクだ。犬や猫にとって正常な菌も人間の体に入ると病気を引き起こすケースもある。過度に恐れることはないが、一緒に楽しく生活するからこそ、寝室には入れず、食べ物の口移しをしないなどを心がけることが大切だ。

猫好きの中年女性Aさん。なんだか喉がいがらっぽいと悩み、日本大学医学部の荒島康友助教に相談した。調べたら「パスツレラ菌」が検出された。この菌は犬や猫の口腔(こうくう)内に存在する菌で、猫だとほぼ100%、犬では75%が保有している。人が犬や猫にかまれるなどして感染すると、化膿(かのう)などの症状が出る。

寝ている間に感染

Aさんはなぜ感染したのか。実は寝ている時に、猫がよってきて首もとや顔をなめていた。荒島助教がAさんを追跡調査したところ、50回の検査の中で、この菌が25回検出された。「検出された日はいずれも、前の晩に猫を寝室に入れていた。同じ部屋で寝るのはやめるべきだ」と荒島助教は指摘する。

猫は脚をなめる習性があるので、猫にひっかかれて感染するケースもある。この「ネコひっかき病」は、ノミが「バルトネラ菌」を媒介する。猫がノミをかみつぶした時に、口腔内にこの菌が侵入。人間をかんだりひっかいたりすることで感染する。猫に症状が出ることはほとんどなく、人間が感染するとリンパ節が大きく腫れる。

猫の爪を短く切っておくことが大切。爪切りをしっかりしておけば予防につながる。

ほかにも気を付けたい感染症がある。みずほ台動物病院(埼玉県富士見市)の兼島孝院長は「皮膚糸状菌症」を挙げ、1つの症例を紹介する。小学生の女児がいる家庭が猫を飼い始めた。猫の額に円形の脱毛があったが、ペットショップの店員は「人には感染しない」と伝えた。ところが、しばらくして女児の頭部が赤く腫れ、髪が次々と抜けていった。女児は髪の毛の成分「ケラチン」を食べる皮膚糸状菌に感染していた。

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