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イチからわかる

ワクチンってどんな薬?

2012/1/27 日本経済新聞 朝刊

 イチ子お姉さん インフルエンザが流行してきて、小中学校で学級閉鎖(へいさ)が増えているそうよ。からすけはワクチンの予防接種(よぼうせっしゅ)をしたわよね?
 からすけ うん。でも、あのチクって痛(いた)い感じは何度やっても慣(な)れないなあ。どうして健康(けんこう)な体にわざわざ注射(ちゅうしゃ)するんだろう。

■「病気のもと」で作る予防薬

 イチ子 ふつうの薬とワクチンの違(ちが)いって分かるかな。薬は病気を治(なお)すために飲むことが多いけど、健康な体に注射するワクチンは、主に病気にかかりにくくするための薬。ワクチンは細菌(さいきん)やウイルスのような「病気のもと」からつくっているのよ。

 からすけ えっ? 健康な体にわざわざ病気のもとを注射するの?

 イチ子 正確(せいかく)に言うと、細菌やウイルスの毒(どく)をとても弱くしたり、なくしたりしたものがワクチンよ。ワクチンを体の中に入れると免疫(めんえき)ができて、抗体(こうたい)と呼ぶ、ウイルスや細菌と闘(たたか)うたんぱく質をつくり出すの。

 からすけ 免疫?

 イチ子 初めてウイルスに感染(かんせん)すると病気になるけど、体はそのことを覚(おぼ)えていて、次に同じウイルスが体に入ると攻撃(こうげき)しようとするの。この体の仕組みが免疫で、それを利用したのが予防接種よ。

 からすけ 毒を弱めた同じようなウイルスをわざと体に入れて、体に感染したように信じ込ませるってこと?

 イチ子 そう。ワクチンで予行演習(よこうえんしゅう)をして、本物のウイルスが侵入(しんにゅう)してきたときはその成果を生かして退治(たいじ)するわけ。天然痘(てんねんとう)のように、ワクチンのおかげで地球上からなくなったといわれる病気もあるわ。

 からすけ 天然痘ってどんな病気だったの?

 イチ子 「悪魔(あくま)の病気」と恐(おそ)れられていた病気で、感染が広がると一度に何万人もの人が亡くなることもあったわ。天然痘の予防方法を200年前ほど前に発見したのがエドワード・ジェンナーというイギリスのお医者さんよ。

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