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職場の知恵

相手を傷つけてしまう褒め方とは 実践マナー塾

2012/1/19 日本経済新聞 プラスワン

知人が「夫が趣味で描く絵を飾っているのだけど、『立派な額ですね』って額だけ褒める人がいるのよ。失礼だと思わない?」と嘆くのです。「額だけ?」と繰り返しながら、注意しなくてはと思いました。

自分は褒めているつもりで他意はなくても、このようにポイントをはずした褒め方で相手を傷つけていることがあるからです。

心を込めた手料理が並ぶ席で「おいしい」が抜けて、「きれいな器ですね」と器ばかりを褒めていることはないでしょうか。その上、陶芸の知識を延々と語ったのでは、作った人にとっては褒められたとはとても思えず、面白くないはず。これは、やられてみるとよく分かります。

ある講演会を終えた時、担当者がニコニコと「ありがとうございました」と頭を下げ、「こういうお話は本当に大切ですね。実は昨年は○○先生をお呼びしました。あの先生もいいお話をなさるんで感動したんですよ」と、そこからは○○先生についての説明が続き、その間、複雑な気持ちを抱いたまま聞きました。

担当者はその先生ともども、私のことも褒めているつもりなのでしょう。でもそれは相手に通じません。褒めるならポイントをはずさないことです。一生懸命にやったその人と、その結果だけを主役にすると相手の心に響きます。

他の人や他の話題を持ち出すなら、まず、相手を褒めてから、後で別のタイミングを選ぶなど、相手に配慮をしたいものです。

(コミュニケーション塾主宰 今井 登茂子)

[日経プラスワン2012年1月14日付]

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