新機能備えたユニークな文房具
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ゲルインク 書き心地抜群
文具の支給を企業が減らしたことなどを背景に、お気に入りのペンやメモ帳を探す人が増えている。新たな機能を備えることで使い勝手を良くし、身の回りに置きたくなる製品を専門家に選んでもらった。
ペン部門で1位になったのは、インク色のバリエーションが多く、消せるボールペンのフリクションボール。手帳に予定を色分けして書き込み、ノートを見やすくするために、色が多く、消せる点が重宝だ。
1、2、4、5位は、ともに滑らかな書き心地で、乾きやすい特徴を持つゲルインクを使う。にじみにくい油性ペンと滑らかに書ける水性ペンの長所を併せ持つので人気を集めている。安価な替え芯を用意した製品も増えている。
メモ帳部門の1、2位には最近のスマホ人気を反映して、カメラで撮影して手書きメモを取り込める製品が入った。スマホの入力機能を使うメモのアプリもあるが、まだ手書きのスピードにはかなわない。そこで、メモを後で検索できるようにするためだけにスマホを使おうという発想だ。
また、自分の好みに合わせて使用したいという要望に応える製品も人気だ。ペン2位のジェットストリームでは好みの替え芯を組み合わせて多色のボールペンを作れる。メモ帳4位のツイストリング・ノートは、メモ用紙だけでなく、表紙を自作して差し替える人もいるという。
特定の用途に絞り、使いやすさを追求した製品もある。ペン3位のプレスマンは速く書くことに対応し、芯の折れにくさを重視したシャープペンシル。メモ帳5位のスベらないメモは電話対応時を想定している。
ペンやメモ帳の使い勝手を良くするには、自分の用途や書き方に合う製品を選ぶことが大切だ。「紙の違いでペンの書き味は大きく変わるので、普段使うメモ帳に試し書きすると良い」(清水茂樹さん)。試し書きについても「らせんでなく、実際によく書く大きさの文字で」(納富廉邦さん)というアドバイスもあった。
「ぬれても書ける」も高評価
惜しくも選外となったが、使い勝手の良いユニークな製品はほかにもある。三菱鉛筆の「パワータンク」やトンボ鉛筆の「エアプレス」などは圧縮した空気がインクを押し出す仕組みにより、立った状態やぬれた紙でメモを取り続けてもインクが途切れない。水ぬれに強いメモには、ライフの「アウトドア メモ」やアピカの「レインガードメモ」などがある。
パイロットの「マルチボール」など、金属やガラス・プラスチックに書けるペンも人気で、「ペットボトルに名前を書く際などに使われる」(田中光江さん)という。シャープペンシルでは、芯が回ってとがり続ける三菱鉛筆の「クルトガ」や、書きながら自動的に芯が出てくるパイロットの「オートマック」を推す選者がいた。
調査の方法 普段の仕事やプライベートでの作業効率を高める工夫をこらしているペンとメモを、専門家や販売店の推薦により合計60商品、候補に選出。専門家10人が実際に使い、作業効率の改善度合いや価格などを基準に評価した。専門家は次の通り(敬称略、五十音順)。
石田綱祐(東急ハンズ渋谷店販売促進担当)▽岩崎多(「すごい文房具リターンズ」編集長)▽大谷暁(「モノ・マガジン」編集部編集次長)▽北沢孝之(「Bun2」編集長)▽清水茂樹(「趣味の文具箱」編集長)▽田中寛子(渋谷ロフト販売促進担当)▽田中光江(伊東屋事務用品バイヤー)▽土橋正(文具コンサルタント)▽中里勇太(「ベスト・ギア」編集部)▽納富廉邦(ライフスタイルライター)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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