ライフコラム

エコノ探偵団

スイーツ男子、なぜ増えた? コンビニ、隠れ甘党を発掘 エコノ探偵団

2011/12/26 日本経済新聞 プラスワン

「今日はケーキを持ち寄り、男同士でパーティーです」。近所の大学生の話に所長がエッと声を出した。「そういえば、甘い物好きの『スイーツ男子』が広がっていると聞いたぞ。なぜだ」。所長は部下の探偵、松田章司に調査を命じた。

大学の体育会部員に「スイーツ男子」が広がっているとの情報を得た章司は、早稲田大学野球部のグラウンドに向かった。投手の宋世羅さん(22)は練習後、毎日ゼリーやチョコレートを食べる。マネジャーの深田賢一さん(22)もプリンなどを欠かさない。「ストレス解消に最適です」

■節制に疲れる

インターネットを検索していると、甘い物好きが集まる「男子スイーツ部」というサイトを見つけた。登録する会社員、昼川貴寛さん(30)は菓子店巡りが趣味で、しばしば自分でも作るそうだ。サイトを運営するニフティの関根康人さん(31)は「スイーツ代に月10万円かけたり、都内から京都までわざわざ食べに出かけたりする人がいます」と教えてくれた。

広がりを確信した章司は食生活を研究する電通総研の黒川翔永さん(24)を訪ね、理由を聞いた。「コンビニエンスストアが火付け役です」。黒川さんは切り出した。「買うことを恥ずかしいと感じていた男性が、気軽に立ち寄れるコンビニで周囲の目を気にせず手に取るようになりました」。隠れ甘い物好きを顕在化できたわけだ。

ローソンにも問い合わせた。応対してくれた鈴木嘉之さん(44)は「当初の狙いは、来店客の3割しかいない女性を増やすことでした」と打ち明ける。だが蓋を開けてみると、男性客も引き寄せることに。ローソンのオリジナルスイーツの売上高は3年前の1.8倍に膨らんだという。

調査会社の富士経済(東京都中央区)によればコンビニのスイーツ市場は、2011年が1076億円の見込みで、前年に比べ3%増。こうした下支え効果もあってか、日本フランチャイズチェーン協会調べのコンビニの既存店売上高が前年を下回ったのは、今年1~11月では9月だけだ。

さらに探っていくと、日本能率協会総合研究所(同港区)の調査を見つけた。おやつや食後のデザートを食べる習慣があるとの回答が、前回調査(08年)に比べ今年は男性の30代と40代で大きく伸びていた。

「メタボリック症候群にならないよう節制することに疲れた面もあるようです」と同研究所の土井晴子さん。甘くても「カロリーゼロ」をうたう食品はたくさんある。「高カロリーで太ってしまう」という意識が薄れ、口にする機会が多くなっているとみている。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL