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おでかけナビ

2011/12/24

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神明神社をはじめ篠島の神社や鳥居は伊勢神宮と造りが似ている

島南部は未舗装の細い坂道が続き、人の気配は全くない。高台にたどり着くと、羽村さんが「あれが渥美半島で、あっちが三島由紀夫の『潮騒』で有名な神島」と教えてくれる。この日は遠く、鈴鹿山脈まで望むことができた。一帯にはこのほか、名古屋城築城時に加藤清正が石垣を切り出した採石場や後村上天皇が掘削を指示したという「帝井(みかどい)」も残る。

篠島はシラスの漁獲量日本一を誇り、島内の食堂で新鮮なうちに味わうことができる。船乗り場に近い「仁」は、生シラスをその場でゆでたシラス丼を提供する。シラスは3センチほどの大きさで食べ応え十分。おかみの小久保珠美さん(55)は「一年中とれるが、冬場は身がしっかりしていておいしい」という。

冬の味覚、フグ漁も10月に解禁。フグ漁師で民宿「福島屋」を営む辻和弘さん(42)によると、今季は量は少ないものの、身が大きなトラフグがあがっているという。定番のてっさや鍋料理に加え、サバフグの空揚げや焼き物などの形で楽しめる。

現在でも島民の9割は漁業関連で生計を営む。全国の島々と同様に人口は減少傾向だが、豊かな漁場に支えられた信仰や風土は脈々と受け継がれている。

(名古屋支社 鱸正人)

<旅支度>三河湾の味、島巡り堪能
 篠島へは名鉄名古屋駅から名鉄河和線で終点の河和駅で下車。河和港から名鉄海上観光船に乗ると、約30分で篠島港に到着する。同じ知多半島では南端の師崎港、対岸の渥美半島の伊良湖港からも船便がある。
 三河湾には篠島のほか、タコやフグなどの新鮮な魚介類で知られる日間賀島や、アート作品が点在する佐久島もある。篠島から日間賀島へは高速船で渡ることもできる。篠島の観光ガイドなどの問い合わせは篠島観光協会(電話0569・67・3700)まで。

[日本経済新聞夕刊2011年12月21日付]

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