高知・室戸 地域丸ごとジオパーク大地の息吹と空海伝説

東西へ弓状に延びた高知県の東南端、室戸岬。日の出やだるま形の日没が見られる広大な海辺、室戸岬灯台、弘法大師ゆかりの修行地などが、お遍路や旅行客をひき付ける。そこへ今秋、待望の知らせが飛び込んだ。9月18日、ノルウェーで開かれた世界ジオパークネットワーク(事務局・パリ)の国際会議で、室戸ジオパークが世界ジオパークとして認定されたのだ。

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空海が修行したという洞窟は人気のパワースポットだ

捕鯨、遠洋漁業の拠点として栄えた室戸市も、現在の人口は約1万6000人とピーク時の半分。約10年前、海洋深層水の取材で訪れた際は、飲食店も人影もまばら。荒々しい波音が、過疎地のBGMのように聞こえた。

が、再訪すると少し様子が違う。「世界ジオパーク効果で観光客が増えました。関東や北海道からも来るし、最近はミステリーツアーまであります」。室戸市観光ボランティアガイドの会の細川季代さん(63)と浅川幸子さん(47)に話を聞き、2人の案内で早速ツアーに出掛けることにした。

日本での世界ジオパーク認定は、洞爺湖有珠山(北海道)、糸魚川(新潟)、山陰海岸(京都、兵庫、鳥取)、島原半島(長崎)に続き5番目だ。

ジオパークは学術上の重要な地質や地形を含む大地の公園ともいわれる。貴重な地質遺産と豊富な自然、大地と人々の生活の関わりが実感できる地域が認定の条件だ。室戸ジオパークの場合、海洋プレートの沈み込みと地震による隆起で生まれた室戸市全域を対象に、海岸や奇岩、空海伝説、町並みなど22のジオサイトを設けた。

まず向かったのは、室戸岬の乱礁遊歩道や岩脈など。そして約1200年前、若き空海が修行したとされる「目洗いの池」「行水の池」や、寝起きの場だった洞窟「御厨人窟(みくろど)」と、空と海を眺めて修行した「神明窟」も。空海の名は洞窟の中から見た光景が由来という。