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最近のお土産、おいしくなってる? 道の駅や空港に新顔続々 エコノ探偵団

2011/11/21 日本経済新聞 プラスワン

 「最近もらうお土産って、目新しくて、どれもおいしいんですよ」。近所の主婦の話に探偵の深津明日香がハッと目を見開いた。「確かにそんな気がするわ。土産物が進化しているのかしら」。真相を探るため、事務所を飛び出した。

全国各地の土産物を見比べて購入できる「むらからまちから館」(東京都千代田区)

 明日香はまず、土産物を調査している観光物産総合研究所(東京都杉並区)に向かった。応対してくれた代表の稲田俊明さん(64)によると、市場規模はこの数年、3兆8000億円とほぼ横ばいという。「ただ、売れ筋は変わってきました。どこにでもあるような温泉まんじゅうやクッキーは苦戦しています」

 旅行のありがたみが薄れ、隣近所に土産物を配る習慣は消えつつある。地域観光に詳しい三菱総合研究所の北井渉さん(44)は「最近の旅行者は自宅用やごく親しい人のために、本当に気に入った商品を買います」と話す。

 だから、定番品を扱う企業も安穏としていられない。「もみじ饅頭(まんじゅう)」の製造販売元、にしき堂(広島市)は2009年、もちっとした食感が特徴の「生もみじ」を、今年10月には地元のパン製造会社と組んで洋菓子風の「あたらしもみじ」を発売した。社長の大谷博国さん(58)は「ずっとファンでいてもらうには、今の人の味覚にも合わせないと」と打ち明ける。

 「土産物は変化しているようね」。明日香が観光産業に詳しい横浜商科大学教授の羽田耕治さん(60)に疑問をぶつけると、「お土産物を買う店が昔と違うことも影響しています」と教えてくれた。

減る宿泊旅行

 高齢化や若者を中心とした節約志向を映し、日帰り旅行で済ます人は多くなった。日本観光振興協会によると、1年間に1回でも国内で宿泊観光旅行をした人の割合は、09年度で49.8%。これまで主力だった旅館や観光地の売店は集客しにくくなっている。

 代わりに人が集まるのは、マイカーや公共交通機関で立ち寄りやすい道の駅や高速道路のサービスエリア(SA)、空港の売店。「これらの店では目新しい商品が売られています」と羽田さん。旅館や観光地の売店では、売れ残ったら返品するなど独特の商慣習が残っている。道の駅などは一般的な取引形態を採用するところが多く、新たな業者が参入しやすいからだ。

 弁当など仕出しが本業の、味のオーハシ(北海道中標津町)は07年から生キャラメルやドーナツなどの製造販売を本格的に開始。地元はもちろん、新千歳空港にも直営店を出した。

 作り手だけでなく、売り手も競争が激しくなっている。道の駅は全国で約1000カ所とこの10年で1.5倍に増えた。中にはオリジナル商品を企画する施設もある。SAなどを運営する東日本高速道路は「地域産品を中心にお土産の品ぞろえを増やしました」。

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